ANAホールディングス(9202)傘下で、全日本空輸(ANA/NH)の国内線と国際線の予約案内やマイレージクラブのサービスセンターを運営するANAテレマートは11月17日、電話応対力を競う毎年恒例の「応対コンクール」を長崎市のホテル、ANAクラウンプラザで開催した。今回で13回目となるコンクールには、4支店から選抜した9人が参加。札幌国内グループの石原亜矢香(いしはら・あやか)さんが優勝した。
電話対応力を競う
コンテストは、電話による問い合わせの応対力を審査する。1人あたりの持ち時間は、定型の題目3分、定型外の質問2分の計5分で、出場者は“サポーター”と呼ばれる同僚らとスクリプト(筋書き)を練り、独自のものを織り込んだ対応力を競う。
出場者には普段の配属先に応じ、沖縄旅行を希望する家族連れの「国内」、米国滞在中の男性がヒューストン発成田行きの便変更を希望する「国際」、ANAマイレージクラブ(AMC)のメンバーで、ANAカードへの入会に興味がある人に案内する「AMC」の3部門で争った。
最初のあいさつや要望の聞き取り能力、的確に説明できていたかなど6ポイントを評価する。審査員として、同社の梶田恵美子社長や、全日本空輸(ANA/NH)の篠辺修社長らが参加した。
利用者が初めて接するのがオペレーター
利用者が困った時などに応対するのが、同社の電話オペレーター。ウェブサイトだけでは対応しきれない複雑なものは、オペレーターが対応することになる。
篠辺社長は、電話応対では笑顔が言葉で伝わるようにするのが重要、と話した。その上で、「LCC各社とは、サービスの差別化を図る」と述べた。篠辺社長によると、当初はウェブサイトの導入により電話応対が減ると予測していたという。「コンピューターやウェブサイトは万能ではない。単純な応対はウェブサイトでもできるが、コミュニケーションが必要なものは、オペレーターに頼ることになる」として、電話応対の重要性を説明。1件あたりの応対時間は以前よりも長くなっているという。
ANAは2015年春から、国際線の予約システムに「アマデウス」を導入し、世界標準に合わせた。篠辺社長は「ツールの使い方や知識などが重要になる。スピード感を持って対応する。『少々お待ちください』の“少々”をどのくらい縮められるかがカギ」と話した。「オペレーターには『やりがいがあるでしょ?』と言いたい」と笑った。
優勝した石原さんは入社10カ月
コンテストを振り返った篠辺社長は「経歴が短いからレベルが低い、とは限らない。訓練と教育、指導がしっかりしているのだと思う」と感想を述べた。
今回優勝した石原さんは、入社10カ月。「先輩たちに支えてもらった。札幌に帰ってから良い報告ができる」と話し、同僚たちのサポートに感謝した。
ANAテレマートは東京と札幌、福岡、長崎に拠点を構える。長崎支店は開設5年目を迎え、応対コンクールを開催するのは2回目。4拠点合計で1280人近くが勤務し、このうち長崎支店では300人が働いている。2018年度には450人に増強する見込み。
応対力のコンテストは2003年から開始。2014年は札幌、2013年は福岡で開催した。各拠点で持ち回りで実施し、2016年は東京での開催を予定している。
関連リンク
ANAテレマート
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