国産初のジェット旅客機「MRJ」を開発中の三菱航空機は10月29日、国土交通省航空局(JCAB)から飛行許可を取得したと発表した。今後、高速走行試験を実施し、初飛行に備える。
三菱航空機はJCABの飛行前審査を10月27日に受審した。
初飛行は11月9日から13日の期間に予定している。実施日は初飛行の前日に発表する。
当初、初飛行を10月26日から30日の期間内に実施するとしていた。その後、操舵用ペダルの改修が必要になったため延期すると、10月23日に発表した。MRJの初飛行延期は5度目。
初飛行では、機体を製造する小牧南工場(愛知県)に隣接する県営名古屋空港(小牧空港)を出発し、周辺を1時間程度飛行する。小牧を離陸後の飛行空域は、静岡県御前崎から愛知県伊良湖岬にかけての遠州灘沖の太平洋上と、石川県能登半島沖の日本海上の2つを検討している。
飛行前審査は初飛行前に必要な行程で、航空法上で定められている。
初飛行に向けての動き
・MRJ、シンボルマークで全社一丸 初飛行向け社内用(15年10月29日)
・MRJの初飛行、11月9日以降に 5度目の延期(15年10月23日)
・MRJ初飛行時、名古屋空港の展望デッキ閉鎖(15年10月23日)
・MRJ、初飛行は10月26日以降(15年9月30日)
開発の進捗状況
・MRJ、初飛行で操縦特性確認 米国試験は16年夏(15年9月2日)
・MRJ、シアトルに開発拠点 ANA塗装機は翼胴結合(15年8月4日)
パリ航空ショーに出展
・MRJの性能向上「可能性探る」 森本社長インタビュー 特集・パリ航空ショー2015(2)(15年6月29日)
・MRJモックアップは上級席明るく 特集・パリ航空ショー2015(1)(15年6月27日)
受注状況
・JAL、MRJを32機正式発注 2021年に初号機納入(15年1月28日)
2014年10月にロールアウト
・ベールを脱いだMRJ 写真特集・息のむ美しき国産旅客機(14年10月20日)
・MRJ、初号機がロールアウト 夢から現実へ(14年10月18日)
空港で進む受入体制
・伊丹空港、MRJ対応の桟橋新設 45年ぶり改修で到着口を中央集約(14年9月2日)