全日本空輸(ANA/NH)の特別塗装機「R2-D2ジェット」が10月2日午後、羽田空港に到着した。国内線第2ターミナルには多くのファンが詰めかけ、着陸の瞬間を写真に収めていた。
(写真特集はこちら)
R2-D2ジェットは、映画『スター・ウォーズ』に登場するロボット「R2-D2」を描いたボーイング787-9の国際線仕様機(登録番号JA873A)。現地時間9月12日にシアトルのエバレット工場でロールアウトし、同29日(日本時間30日)に引き渡された新造機で、R2-D2を通常塗装の2倍にあたる10日間掛け、ペイントで機体全体に描いた。
第2ターミナル前を通り格納庫へ
機体はサウスカロライナ州ノースチャールストン工場製。現地時間10月1日午前11時13分にチャールストンを出発し、同37分に離陸。羽田空港のC滑走路(RWY34R)に午後2時46分に着陸して、午後3時5分に到着した。
羽田へ着陸後は、ANAが使用する第2ターミナル前のエプロンを通り、展望デッキに集まった大勢の観客にファンサービス。首都高速湾岸線上の誘導路を通ってANAの格納庫に到着した。
17日には、特設サイトで募集した参加者を招待し、羽田発着の遊覧飛行を実施。翌18日の羽田発バンクーバー行きNH116便から国際線定期便に就航する。
その後はバンクーバーのほか、北米はサンノゼとシアトル、欧州はミュンヘンとパリ、ブリュッセルへ就航し、オーストラリアのシドニーや中国の北京、インドネシアのジャカルタなどへも運航する。
国内線でも20日と22日、31日の3日間限定で運航。20日は宮崎と函館、22日は松山と広島、31日は鹿児島と伊丹へ運航する。機内の機用品は国内線仕様となる予定で、機内イベントは行わない。
座席数は3クラス215席で、ビジネスクラス48席とプレミアムエコノミークラス21席、エコノミークラス146席。787-8の国際線長距離仕様の169席(ビジネス46席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー102席)よりも46席増え、貨物も約1.2倍搭載できる。
エンジンは英ロールス・ロイス製トレント1000-K2で、出力は3万3480キログラム。787-9の国内線仕様機用トレント1000-A2(出力2万8940キログラム)と比べ、出力が増加している。航続距離は787-8の国際線仕様機より160キロメートル伸び、1万4960キロメートルとなっている。
777と767の特別塗装機も
R2-D2ジェットは、ウォルト・ディズニー・ジャパンと締結したスター・ウォーズブランドを活用する契約に基づくもの。ANAは、2020年3月までの5年間「STAR WARSプロジェクト」を展開する。
スター・ウォーズの特別塗装機は、R2-D2ジェットを含む3機。12月18日公開の新たな3部作の1作目『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に登場する新キャラクタ-、「BB-8」を機体全体にデザインした、ボーイング777-300ER型機の国際線仕様機(登録番号JA789A)「BB-8 ANA JET」と、BB-8に加えて映画に登場するロボット「R2-D2」を描いた、767-300ERの国内線仕様機(JA604A)「STAR WARS ANA JET」が登場する。
BB-8ジェットは2016年3月から北米路線を中心とする国際線で、STAR WARSジェットは今年11月から国内線での運航を予定している。
ANAは国際線事業の強化を進めており、同プロジェクトを通じて、ANAブランドの世界的な認知度向上や他社との差別化を進める。
*写真は4枚。
*写真特集はこちら。
関連リンク
STAR WARSプロジェクト(全日本空輸)
写真特集・ANAのR2-D2ジェット就航
前編 遊覧飛行は倍率1000倍(15年10月19日)
後編 初便は夜の羽田から(15年10月19日)
写真特集
・R2-D2描いた787、羽田に降り立つ 写真特集・ANAスター・ウォーズ塗装1号機(15年10月3日)
・「24時間3交代で塗装した」写真特集・ANAの787-9「R2-D2ジェット」ロールアウト(15年9月14日)
初便出発
・ANAのR2-D2ジェット、バンクーバーへ初便出発(15年10月18日)
羽田発着の遊覧飛行
・ANAのR2-D2ジェット、羽田で遊覧飛行 機長「フォースとともにあらんことを」(15年10月17日)
機内の様子
・ANA、R2-D2ジェットの機内公開 特別塗装の787-9、17日に羽田遊覧飛行(15年10月14日)
シアトルでロールアウト
・ANA、スター・ウォーズ塗装の787完成 シアトルでお披露目(15年9月13日)
スター・ウォーズ関連
・ANA、R2-D2ジェット国内線で限定運航 10月に3日間(15年9月21日)
・ANA、スター・ウォーズ特別塗装機を2機発表 新キャラBB-8をデザイン(15年8月18日)