9月29日、スカイマーク(SKY/BC)が臨時株主総会を開く。1月の経営破綻から8カ月が過ぎ、新経営陣として投資ファンド「インテグラル」の佐山展生代表が会長、日本政策投資銀行(DBJ)元・取締役常務執行役員の市江正彦氏が社長に就き、経営再建が本格化する。同時にスカイマーク黎明期から17年間、経営に携わってきた井手隆司会長と、西久保愼一前社長の右腕として財務面を担った有森正和社長は29日の総会をもって正式に退任する。
「スカイマークは自分の子供のようなもの」。日ごろ同社をこう表現してきた井手会長。実務に携わる最終日となった28日夕方、井手会長がメディア最後となる、Aviation Wireの単独インタビューに応じた。
—記事の概要—
・独立性と社員の雇用守れた
・1月23日に“奇跡の電話”
・西久保前社長は「慎重派」
・3年後に再上場できる
・「本当に申し訳なかった」
独立性と社員の雇用守れた
── あす(29日)に臨時株主総会を迎える。心境は。
井手会長:本音はほっとした。昨年4月くらいから会社をどう守ろうかとやってきた。ストライクゾーンは目いっぱい取れた。
正直安堵感と共に、我々の失敗で債権者の皆さんにご迷惑を掛けているが、法的手続きで利益率が高い時代の状態に戻す。全日本空輸(ANA/NH)からも約束が取れた。
昨年7月にエアバスからファクシミリ1本で損害賠償請求が来た。この時に大手の傘下に入ることを求める示唆があった。それに反発するように、独立を守ろうと考えた。
でも難しい。独立を守りながら、会社を守り、社員を守ることが果たして出来るのか。この1年間はこれに終始してきた。結果はANAも公然と約束していただいたように、独立性と社員の雇用を守れた。これは大きい。
── 最近は業績回復したが、9月の状況は。
井手会長:7月、8月と黒字で来たが、9月も黒字。9月は再建計画が決定したし、明日臨時株主総会が開かれるということは、11月末に想定している弁済への増資が行われる。これで今まで交渉していた事業者との再契約が結べる。
この中では航空機のリース料引き下げが大きい。27機あるボーイング737-800のリース料が月に2億円くらい下がることで、さらに収益性が向上する。サービス向上委員会を通して、サービスを見直して、「昔に戻そう」を合い言葉にやってきた。
早めにお客様に伝わり、戻ってきていただくことで、増収になりコストが下がる。収益が出る構造、僕らは「勝利の方程式」と呼んでいるが、これが出来上がった。7月と8月で実証され、9月が黒字になれば弾みがつく。
インテグラルからは90億円のコミットメントラインのうち、45億円をお借りした。これが2月だが、すでに返済できる状態になった。銀行などから借り入れせず、自力で返せるところまで回復した。
これまで夏場から回復するとお話ししてきたが、計画通り進行している。
── 計画が順調に進んでいる理由は。
井手会長:簡単に言うと、もともとスカイマークは737のみで運航している時は、世界3位の利益率を誇っていた。737だけに集中して運航すれば、CASK(ユニットコスト)がぐんと下がり、収益が上がる構造が出来上がる。それに当てはめれば、利益が出る自信があった。
スカイマークは潰れるかもしれないと言われ、買い控えが起きた。スカイマークはこれからも継続しますよと、示さなければならなかった。一番大きいのは、ゴーイングコンサーン(継続企業の前提)が取れたことだ。継続企業であることが証明されてきた。
これで早期の再上場も視野に入ってきた。そうすると、
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