エアライン, ボーイング, 機体, 解説・コラム — 2015年9月14日 18:00 JST

「24時間3交代で塗装した」写真特集・ANAの787-9「R2-D2ジェット」ロールアウト

By Tadayuki YOSHIKAWA

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　映画『スター・ウォーズ』に登場するロボット「R2-D2」を描いた、全日本空輸（ANA/NH）の特別塗装機「R2-D2 ANA JET」が現地時間9月12日午前9時（日本時間13日午前1時）すぎ、米シアトルでロールアウトした。

ロールアウトしたANAのR2-D2ジェットの前に並ぶR2-D2とC-3PO、客室乗務員＝9月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ボーイングのエバレット工場で開かれたロールアウト式典に姿を見せたR2-D2＝9月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　R2-D2が描かれたのは、ボーイング787-9の国際線仕様機（登録番号JA873A）。最近は特別塗装機といってもデカールによるものが主流で、塗装を施した機体は珍しい。

　「エキサイティングだ」。シアトルにあるボーイングのエバレット工場で塗装を担当したリッチ・クラークさんは、塗装を終えたR2-D2ジェットを見てこう話した。「1日24時間、3交代で塗装した。スター・ウォーズのロゴや、R2-D2を機体にレイアウトするバランスが難しかった」といい、ANAの通常塗装の2倍にあたる10日間掛け、ペイントで機体全体に描いた。バランスが難しいデザインの塗装は、、式典前日の11日夜までかかった。

　12日の式典には、ANAの功刀（くぬぎ）秀記・米州室長や、ボーイング民間航空機部門のイーサン・ムニール北東アジアセールス担当シニア・バイス・プレジデントをはじめ、両社の関係者や家族が集まった。会場となったエバレット工場の格納庫前には、R2-D2と相棒のC-3PO、銀河帝国軍の「ストームトルーパー」が登場し、参加者は記念写真を撮って盛り上がっていた。

　ロールアウトしたR2-D2ジェットは内装作業などを行い、9月末の機体引き渡しを予定している。羽田空港へ到着するのは10月初旬となる見込みで、羽田発着の遊覧飛行を10月17日に実施し、翌18日の羽田発バンクーバー行きNH116便から国際線定期便に就航する。

　R2-D2ジェットは、ANAがウォルト・ディズニー・ジャパンと締結したスター・ウォーズブランドを活用する契約に基づくもの。ANAは2020年3月までの5年間「STAR WARSプロジェクト」を展開する。今年は10年ぶりの新作『スター・ウォーズ／フォースの覚醒』が、新たな3部作の1作目として12月18日に公開される。

　ANAは国際線事業の強化を進めており、同プロジェクトを通じて、ANAブランドの世界的な認知度向上や他社との差別化を進める。

　羽田－バンクーバー線就航後は、北米ではサンノゼとシアトル、欧州はミュンヘンとパリ、ブリュッセルへ就航し、オーストラリアのシドニーや中国の北京、インドネシアのジャカルタなどへも運航する。

＊R2-D2ジェットの仕様など詳細はこちら。
＊写真は48枚。