全日本空輸(ANA/NH)は7月28日、現役パイロットを子供たちが取材する夏休みイベントを、羽田空港で開いた。
ANAが夏休みに開催するイベントに参加する子供たちを、Facebook(フェイスブック)で6月に募集。パイロットや客室乗務員、整備士に取材するイベント「キッズリポーター」には、約200人が応募し、28日に行われたパイロットの取材は、最多となる100人弱の応募があった。
選ばれた4人の子供たちは、ボーイング787型機を操縦する久保慎治機長(45)を取材。イベントが始まった際は緊張していた子供たちも、久保さんが機長になるまでの経験や、窓から見える飛行機の解説をすると緊張がほぐれ、一番難しい飛行条件や操縦桿を握った時の気持ちなどを積極的に聞いていた。
久保さんは難しいフライトについて、「天気が悪い時です。雨や雪が降っていたり、風が強いとコントロールが難しくなるので、普段より集中しています」と説明。操縦桿を握った感想は、「最初のころは、離陸する時に操縦桿を引くと『オーッ』という感じだったけど、今では当たり前になってしまいました」と話し、子供たちは久保さんの言葉を一生懸命メモしていた。
幼少期に水泳をやっていたことなどを引き合いに、久保さんは体調管理の大切さを話していた。
パイロットが持ち歩くカバンの中身も公開。マニュアルや地図を広げ、近年パイロットが持ち歩いているiPadや、必需品のサングラスや手袋、夜のフライト前に機体を点検時に使う懐中電灯などを、久保さんがひとつ一つわかりやすく説明していた。
フライト前にブリーフィングを行う場所やサポートする部署など、パイロットの職場見学も行われた。子供たちは天気の確認など、パイロットが出発前にどのような準備をしているかを取材していた。
子供たちの取材終了後は、Twitter(ツイッター)やFacebookで質問を募集。「一番男前な機種は」「どこをさわるとライトが点くの」といった質問に、リアルタイムで久保さんが答えを書き込んでいた。
久保さんは東京都出身で文系大学卒業後、自社養成パイロットの訓練生として1993年に入社。エアバスA320型機からボーイング777型機へ移り、7カ月前に787へ機種移行した。機長昇格は777だった。
「短い時間でしたが、普段はふれあう機会がないので、すごく楽しかったです」と笑顔で話した。
キッズリポーターは27日に客室乗務員編が行われ、29日に整備士編が開かれる。
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