エアライン, 空港, 解説・コラム — 2015年7月11日 12:59 JST

LCCで関空ーハワイ実現へ 広がる中長距離便

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 「これまでLCCは片道4時間以内の短距離が中心だったが、スクート(SCO/TZ)は中長距離LCC。第2ステージの幕開けであり、お互いにマーケットを開拓していく」。

関空経由のクアラルンプールーホノルル線を計画するエアアジアXのA330-300=13年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 7月8日、シンガポール航空(SIA/SQ)系LCCのスクートが、関西空港からバンコク(ドンムアン)経由のシンガポール線を開設した。新関西国際空港会社の安藤圭一社長は就航をこう評し、片道4時間以上の中長距離LCCに、期待を示した。

 関空では、豪州のジェットスター航空(JST/JQ)やマレーシアのエアアジアX(XAX/D7)、タイのタイ・エアアジアX(TAX/XJ)、ノックスクート・エアライン(NCT/XW)と、乗り入れる中長距離LCCが増えており、徐々に存在感を増してきている。

 一方、中長距離LCCの就航地はこれまでアジア太平洋地域だったが、今後は米国への就航が見込まれる。今年4月、エアアジアXは米国運輸省(DOT)に関西ーホノルル線の就航を申請。早ければ11月にも、週4往復で開設する見通しだ。

8日に関西空港へ就航したスクートの787-9=7月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 日本とマレーシアは、2011年2月にオープンスカイ(航空輸送の自由化)に合意。2013年からは、首都圏空港(羽田・成田)以外の空港について、以遠権が自由化された。エアアジアXの場合、現在デイリー(1日1往復、週7往復)で就航しているクアラルンプールー関西線を以遠権により延伸し、ホノルルへ乗り入れる計画だ。機材は現在と同様、エアバスA330-300型機(377席:プレミアム・フラットベッド12席、エコノミー365席)となる見込み。

 一方、羽田空港や成田空港からの就航は、発着枠などに制約があるため現時点での実現は難しい。比較的運航スケジュールの自由度が高く、関空を拠点とするピーチ・アビエーション(APJ/MM)の成功など、LCCとの親和性の高い関空ゆえに実現の見通しが高くなった路線と言える。

 エアアジア・グループのトニー・フェルナンデスCEO(最高経営責任者)は、かねてより米国への就航を熱望しており、マレーシアから関空経由で米国本土への就航も視野に入る。

 エアアジアXが関空経由で開設するクアラルンプールーホノルル線は、関空からもホノルル行きに搭乗できる見通し。中長距離LCCの拡充を、第2ステージと位置づける新関空会社。日本人に人気の高いハワイへLCCが就航すれば、利用者層が広がる第一歩になりそうだ。

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関西国際空港
エアアジア
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