ブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)を傘下に持つインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)のウィリー・ウォルシュCEO(最高経営責任者)はこのほど、ロンドン・ヒースロー空港の滑走路増設について「政治家の早い判断が必要だ」との認識を示した上で、航空会社としては建設費の負担を考えていないことを明らかにした。
ウォルシュCEOは「英空港委員会は滑走路増設が早急に必要だ、ということを認識している」とし、「(同委員会の)ハワード・デイビス委員長は尽力している。実現に向け、政治的な意思があるかどうか。信念やリーダーシップがなければ、廃案になる」と述べた。
デイビス委員長は、滑走路増設の建設費は航空会社が負担すべき、と考えている。ウォルシュCEOは「利用者への負担増にもつながる」として、負担する意思がないことを明言した。
英空港委員会は現地時間7月1日、ロンドン・ヒースロー空港の拡張を含む最終報告書を英政府に提出。ヒースロー空港の滑走路増設は戦略的・経済的な観点から必要だ、と結論付けている。
これを受けてアイルランドのLCC、ライアンエア(RYR/FR)は「滑走路の増設は解決策にはならない」と反対を表明。英LCC、イージージェット(EZY/U2)は「すぐに実行するべき」と賛成を表明している。
現在のヒースロー空港の滑走路は3902メートルの北側と、3658メートルの南側の2本。2014年の発着回数は47万695回で、1日の平均は約1290回。利用者数は約7340万人で、1日の平均利用者数は20万1000人。
同委員会では、3本目となる北西の滑走路増設により、60年間でGDP(国内総生産)を1470億ポンド(約28兆2548億7000万円)まで引き上げるとともに、2050年までに7万人の新規雇用を創生すると予測。長距離10路線から12路線を含む、40都市程度に新規就航できると見込んでいる。
IAGにはBAWのほか、スペインのイベリア航空(IBE/IB)やブエリング航空(VLG/VY)が所属している。
関連リンク
Heathrow Airport
GOV.UK
International Airlines Group
ブリティッシュ・エアウェイズ
・ヒースロー空港の滑走路増設、LCC意見割れる(15年7月3日)