スターフライヤー(SFJ/7G、9206)と九州産業大学は、飛行機の機内で大学生が航空業界を学ぶ授業を7月4日に開いた。2007年度から始まった産学連携で、同大商学部観光産業学科の女子学生22人が参加し、SFJの客室乗務員(CA)らが講義を担当した。
同学科では、2005年度にビジネスジェットをチャーターして機上講義を初めて実施。2007年度からは、SFJのエアバスA320型機1機をチャーターしている。実機による機上講義は、2、3年生を対象とした科目「エアライン・オペレーション」のまとめとなる最終講義として行われた。
担当する同学科主任の乾弘幸教授によると、実機を用いた講義は、国内の大学や専門学校でも例がないという。
一方、SFJは2016年3月16日で就航10周年を迎える。国内最大級の顧客満足度調査「2014年度版JCSI(日本版顧客満足度指数)調査」では、国内航空会社と新幹線で構成される「国内長距離交通」で1位を獲得。2009年の第1回から6年連続で1位に輝いている。
—記事の概要—
・マニュアル通りではないサービスを
・学生もCAも本気
・靴磨きは社員教育ではない
・接客に正解なし
今回の機上講義とモックアップを使った機内サービス実習では、いかなる時も安全に配慮しながらサービスしなければならない、業務の厳しさも学生たちは体験した。
マニュアル通りではないサービスを
4日は7G9402便として、午前6時45分に北九州空港を出発。SFJと同大との“共同運航便”として運航され、福岡県から島原湾上空を飛行して鹿児島県まで南下後、宮崎県から大分県、山口県宇部市などの上空を経て、北九州へは午前8時に戻った。機材は、SFJで最も新しい13号機(登録番号JA23MC)がアサインされた。
機内では、3人のCAが講義を担当。訓練施設のモックアップで新人を教育する西山CAが9402便のチーフパーサーを務め、訓練を終えた新人が実機でトレーニングする際に指導する目野CAと、同講義の卒業生で2014年入社の松原CAの3人が、カートを使った飲み物の提供方法などを約30分間、機上で講義した。
「マニュアル通りではなく、一人ひとりのお客様に向き合ったサービスをしています」と機上講義の冒頭、目野CAは学生たちに語りかけた。
CAたちは、急な揺れに備えて温かいコーヒーを低い位置で注いだり、こぼれにくい飲み物の分量、乗客に差し出す際のコップの向きや指を添える位置、カートは常に乗客の足もとや体にぶつからないかを確認しながら動かすなど、実演を交えて説明。窓側の乗客から飲み物を提供する理由や、カートのストッパーを停止するたびにかける意味などを、学生たちに問いかけながら実演して見せた。
SFJのA320は、通路をはさんで座席が左右3席ずつ、1列に計6席ある。同社では飲み物を提供する際、乗客一人ひとりに声を掛けてテーブルを用意してもらっている。学生からは、機内アナウンスでテーブルを用意するように呼びかける航空会社もある中で、なぜ個別に声を掛けていくのか、との質問があった。
目野CAは「そのほうが私たちは楽ですが、こちらのやりたいようにサービスするのではなく、お客様の雰囲気を感じ取るよう心掛けています」と、説明していた。
学生もCAも本気
北九州空港へ戻ってからは、学生たちは部品庫や運航管理室を見学した後、モックアップを使った実習や、フライトシミュレーターを体験した。
部品庫では、有効期限が切れ廃棄処分品となったライフベストを活用し、実際に学生が膨らませる操作を体験。「バンッ」と大きな音と共に、ベストが一気に膨らむ様子に驚いていた。
運航管理室では、旅客機を運航する仕組みなどをスタッフが説明し、9402便の矢野機長と牧副操縦士が
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