日本航空(JAL/JL、9201)と宮城県は6月22日、東京・有楽町のJALプラザ前で同県の観光パンフレットを配布した。植木義晴社長や宮城出身のJAL社員が参加しピーアル。農作物や水産加工品など、県の名産品も販売した。
JALグループでは被災地復興支援の一環として、2013年6月から「行こう!東北へ」プロジェクトを実施。定期的に東北各県の物産販売を手伝っている。
植木社長は、東日本大震災から2年が経過してから開始した同プロジェクトについて、「2年が経過したからできることを実行した」とし、沖縄のチャーター便を運航して子どもたちを招待したことや、地元の企業や復興庁とともに、仙台の人材育成やビジネスで協力した事例を挙げた。
観光庁では「観光庁アクションプラン」を策定し、2020年までに訪日客を2000万人にする目標を掲げている。2014年の訪日客は、対前年比29.4%増の1341万3467人。2015年も5月時点の推計値で対前年比44.9%増で、このままのペースだと年間1800万人を超える。
植木社長によると、訪日客に人気があるのは札幌と首都圏、関西、福岡で、訪日客の7割近くが4地点に集中するという。「訪日客を、東北を始めとする地方に分散させる必要がある。その土地の魅力を旅行業界などで発信し、飛行機や電車などを利用して『オールジャパン体制』で受け入れる必要がある」とした。
物販の盛況ぶりと比較すると、パンフレットを手に取る人々は少なかった。このことについて植木社長は「なるべくもらってくれそうな人を狙って渡した」とし、「(仙台・宮城観光PRキャラクターの)むすび丸がいると、子ども連れの方にアピールしやすくなる」と話した。
物販では、県北部・栗原市のナスやキュウリなどの夏野菜を販売。販売する地元の人によると旬のパプリカがおすすめで、「今年も肉厚で、甘く仕上がった。輸入品と比較しても質が良い」と仕上がりに自信をのぞかせた。
参加した仙台市出身の客室乗務員(CA)、北澤麻紀子さんによると、毎年末に市内青葉区の定禅寺(じょうぜんじ)通りで開催されるイベント「SENDAI光のページェント」がおすすめだという。自身も毎年末に仙台に帰省して楽しむようだ。「広瀬川で毎秋に開催される『芋煮会』も楽しみ」なようで、「里芋などや豚肉などを仙台味噌で煮込む。おいしいですよ」とアピールした。
植木社長にとって仙台は、航空大学校在籍時や新入社員のころに過ごした思い出深い土地だという。「今では『仙台=牛タン』というイメージがあるが、住んでいた40年以上前は牛タンは名物ではなかった」と振り返り、「とはいえ、食べてみるとやっぱりおいしい」と笑った。
パンフレット配布の合間を縫って、植木社長は牛タンの加工品を購入。「酒は飲まないけどおつまみが好き」な植木社長は、集まった報道陣に対しても「何か買って帰って」とアピールを忘れなかった。
関連リンク
日本航空
むすび丸(仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会)
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