A320ファミリーを2018年に月産60機へ増産を検討しているエアバス。現在の月産42機を2017年1-3月期に50機へ引き上げ、さらなる増産により、受注の増加に対応していく。
現地時間5月28日に仏トゥールーズで開かれた報道関係者向けイベントでは、今後の増産計画のほか、エアバス機の市場での優位性について、プレゼンテーションが行われた。
—記事の概要—
・A320/A320neo
・A330/A330neo
・A350 XWB
・A380
6月15日午前(日本時間同日午後)から始まる第51回パリ航空ショーを前に、エアバス機の現状をまとめた(前編はこちら)。
A320/A320neo
A320と新型エンジンへの換装型A320neoの受注残(4月末時点)は、A320が1350機、A320neoが3794機。対するボーイング737型機のエンジン換装型である737 MAXは2724機で、マーケットシェアはA320neoが58%となっている。
エアバスが売りとしているのが、競合のボーイング機よりも広いシート幅だ。ボーイングでは17インチ(43.18センチ)を標準的なシート幅としているが、エアバスはプラス1インチ広い18インチ(45.72センチ)としている。また、同社では2013年に、長距離フライト向けエコノミークラスの座席幅の最小基準を、18インチ(45.72センチ)にすることを航空業界に提案している。
LCCなどで使われる高密度シート配列では、ギャレー(厨房設備)やラバトリー(化粧室)の配置を最適化することで、A319は1クラス160席(従来より4席増)、A320は189席(同9席増)、A321は240席(同20席増)を、18インチ幅のシートで実現できると訴求している。
また、現在の単通路機市場におけるA320ファミリーの機種別シェア(引き渡しベース)は、年々大型化していることを指摘。2006年はA321が10%にすぎず、A320が43%、A319が47%だったのが、2012年にはA321が18%、A320が73%、A319は9%となり、2014年はA321が31%と3割を超え、A320が7割を切る62%、A319は1割を割り込む7%、2015年はA321が38%、A320が57%、A319は5%となり、2016年にはA321が44%と半数近くない、A320が53%、A319は5%を割って3%と、単通路機の大型化が進んでいる。
エアバスのジョン・リーヒー顧客担当COO(最高業務責任者)は、「A320neoファミリーは、唯一となる真の単通路機だ」と強調。単通路機市場で今後需要が見込まれる180席以上250席未満のレンジをカバーできるのは、A320neoファミリーだとアピールした。
ストラテジー&マーケティング担当のキラン・ラオ上席副社長は、A320ファミリーでは薄型シートだけではなく、省スペース化したラバトリー「スマート・ラバトリー」、機体後部のラバトリーやギャレーを効率良い新レイアウトで配置する「スペース・フレックス」、A321向けの新しいドア配置など、居住性向上や客席増加につながるオプションを多く揃えていると説明。
スペース・フレックスを導入すると、同じ機体で1列6席を増やすか、シートピッチを7インチ広げることができる。
また、ボーイングの200席クラスの単通路機757-200の競合として、エアバスはA321neoの最大離陸重量(MTOW)を97トンに引き上げた「A321LR」を売り込んでいる。最大離陸重量と燃料積載量の増加で、長距離路線でペイロード(有償搭載量)を増やすことができ、航続距離を約7408キロ(4000海里)に延長。単通路機としては最長の航続距離となり、大西洋路線にも投入できるようになる。対する757-200Wは、MTOWは115.6トンとA321LRを上回るが、乗客数はA321LRの206人に対して198人、航続距離も7130キロ(3850海里)と下回っている。
ラオ上級副社長はアメリカン航空(AAL/AA)の3クラス仕様のA321を例に挙げ、「ワイドボディー機の快適さを、A320ファミリーは単通路機で実現できる」と語った。
A330/A330neo
A330ファミリーについては、エンジン換装型となるA330neoと、ボーイング787-9との
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