エアバスは単通路機のA320ファミリーについて、月産60機以上への増産を検討していることを明らかにした。現地時間5月28日に仏トゥールーズで開かれた報道関係者向けイベントで、ジョン・リーヒー顧客担当COO(最高業務責任者)らが語った。
A320ファミリーは現在月産42機。2016年4-6月期(第2四半期)には、A320ファミリーの4番目の最終組立工場となる米アラバマ州のモビール工場から最初の機体が引き渡される予定で、2017年1-3月期から月産50機体制を目指す。
4月末時点のエアバス機全体の受注残は6399機で、このうちA320ceo(従来型)が1350機、エンジン換装型のA320neoが3794機で、全体の80.3%をA320ファミリーが占める。
リーヒー氏は「個人的には月産60機以上を目指したい」と述べ、LCCをはじめ航空会社やリース会社からの受注が旺盛なことから、さらなる増産を目指す姿勢を示した。
トム・ウィリアムスCOO(最高業務責任者)は、「2018年には、A320neoの生産体制を月産60機に引き上げられるだろう」と見通しを語った。
エアバスによると、今年1月から4月末までの単通路機の純受注状況は、A320が174機、ボーイングの737は66機。受注比率はA320neoの73%に対し、737は27%となっている。
737の生産レートは現在月産42機で、2018年から月産52機に増産する。エアバスは工程の改善などにより、ボーイングの生産レートを上回りたい考えだ。
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