今年のゴールデンウィークは4月29日から最大8連休になり、ハワイなど海外のリゾート地へ向かう人が多かった。日系大手二社の実績を見ても、日本航空(JAL/JL、9201)と全日本空輸(ANA/NH)ともにホノルル線はロードファクター(座席利用率)が9割前後と好調。日本人のハワイ好きが、この連休も証明された形だ。
あすで6月を迎え、夏休みの予定を決め始める人も多いのではないか。円安で日本人の海外旅行需要が冷え込む中、ゴールデンウィークのホノルル線利用者数は、JALもANAも前年を上回っており、年間でもっとも混雑する夏休み期間も、多くの人がハワイへ向かうとみられる。
ハワイのようなリゾート路線と言えば、かつては古くなった機材が投入され、低コストで目的地へ送客する、という航空会社の姿勢が見え隠れしていた。しかし、ハワイが最初の海外旅行という人も多い日本。くたびれた機材に乗った人にとって、その航空会社のイメージは決して良いものではないだろう。
—記事の概要—
・JALは新機材、ANAはホテルと提携
・3世代旅行が多いハワイ
・エコノミーは往復でスリッパ用意
・フルフラット導入で成田便選ぶ人も
・大量に席があると、埋めたくなる
一方、欧米へ向かう長距離国際線は、各社がこぞって最新鋭機材を導入している。これらに乗り慣れているビジネスパーソンの中には、休暇でリゾート路線に乗る度に落胆していた人もいるのではないか。
今年初めてフルフラットシートを導入したJALを中心に、ハワイ路線の今を見てみよう。
JALは新機材、ANAはホテルと提携
こうした乗客の心中を航空会社側も察したのか、JALとANAはハワイ路線のテコ入れを図っている。
JALは2014年2月、ホノルル線開設60周年を迎えた。今年の3月29日に始まった夏ダイヤからは、成田-ホノルル線(JL784/783、JL786/785)に国際線用ボーイング767-300ER型機の新仕様機「JALスカイスイート767(JAL SKY SUITE 767)」を投入。JALのハワイ路線のビジネスクラスに初めて、フルフラットシートを導入した。
座席数はビジネス24席、エコノミー175席の計199席。ビジネスクラスのシート「スカイスイートII」は、1-2-1配列で全席から通路へアクセスできる。
ベッド長最大約2メートル、ベッド幅最大約52センチのフルフラットシートで、個人モニターは15.4インチの大型タッチパネル式のものを採用。パソコン用電源や充電用USB端子を全席に備える。また、エコノミークラスは薄型シートの採用により、従来比で足もとが10センチ広くなった。
一方、ANAは世界各地でホテル事業を展開するヒルトン・ワールドワイドと提携。6月から機内食や空港ラウンジでコラボレーションサービスを開始する。
6月1日から8月31日まで、東京(羽田・成田)-ホノルル線の機内食に、ヒルトン・ハワイアンビレッジ・ワイキキ・ビーチ・リゾートのシェフが監修したメニューを、ビジネスとエコノミー両クラスで提供。羽田と成田両空港のラウンジでも、同ホテルのシェフ監修によるメニューを用意する。
機材は767-300ERで、座席数はビジネス35席、エコノミー179席の214席。ビジネスのシートは2-1-2配列で、ライフラットシートとなる。
日系2社だけではなく、地元ハワイアン航空(HAL/HA)も日本路線のサービスを強化するなど、競争が激化しているハワイ路線。今回はビジネスクラスにフルフラットシートを導入したJALの村山貞司ホノルル支店長に、ハワイ路線の今を聞いた。
3世代旅行が多いハワイ
「ハワイ路線は、年間片道50万人くらいの方が利用されています。年間の利用率も9割前後と高いです」と、村山支店長は説明する。ゴールデンウィークや夏休みに訪れる人が多い理由の一つに、ハワイへは
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