全日本空輸(ANA/NH)が国際線仕様のボーイング787-9型機の初号機(登録番号JA836A)を、羽田-ミュンヘン線に5月5日から就航させた。ANAは787-9を44機発注しており、国内の航空会社では初めて国際線に投入した。
ANAは787の長胴型である787-9を、2014年8月から国内線に2機導入済み。国際線仕様機は今年4月に初めて受領し、4月23日に米シアトルから羽田空港へ到着した。8月以降には2路線目の羽田-ジャカルタ線へ投入を計画している。
座席数はビジネスクラス48席とプレミアムエコノミークラス21席、エコノミークラス146席の計215席。787-8の国際線長距離仕様の169席(ビジネス46席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー102席)よりも46席増えた。
777や767で提供中の機内インターネット接続サービス「ANA WiFi サービス」も、787では初めて導入。全クラスで利用できる衛星回線を使ったネット接続サービスで、米パナソニックアビオニクス製のシステムを使用する。同システムは、ボーイングが787用のネット接続システムとして、唯一採用したもの。料金は30分で6.95ドル(約830円)、3時間で16.95ドル。
また、各席の個人用モニターでテレビ番組をリアルタイムに視聴できるサービス「ANA SKY LIVE TV」を、全クラス共通の新サービスとして初導入。NHKやCNNのニュース番組や、スポーツ番組が無料で見られる。
エンジンは英ロールス・ロイス製トレント1000-K2で、出力は3万3480キログラム。787-9の国内線仕様機用トレント1000-A2(出力2万8940キログラム)と比べ、出力が増加している。航続距離は787-8の国際線仕様機より160キロメートル伸び、1万4960キロメートルとなっている。
座席数と貨物搭載量が787-8と比べて約1.2倍に増えたことで、運航コスト低減が見込まれ、ANAの国際線事業拡大の中核機材となる。やや“ずんぐりむっくり”した印象の787-8と比べて、胴体が前方と後方でそれぞれ3.05メートル、計6.1メートル長くなった787-9はスマートな印象だ。
本写真特集では、初便就航の様子と初号機の羽田到着時の様子を25枚の写真で紹介する。
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ミュンヘンへ初便出発
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