4月10日、三菱航空機は開発中のリージョナルジェット機「MRJ」の初飛行延期を発表した。これまでは4-6月期に初飛行を予定していたが、9-10月期に延期。開発スケジュールの変更は4度目となった。
一方で、量産初号機の納入スケジュールは維持し、2017年4-6月期にローンチカスタマーの全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)へ引き渡す計画だ。受領後は地方路線への投入を計画している。
初飛行の遅れについて、三菱航空機の岸信夫副社長は「非常用発電装置の取付位置の変更など、初飛行後に予定していた機体の改修を前倒しすることにした」と説明。当初は初飛行後に機体改修を数回実施し、飛行試験の結果を反映させる計画だったが、改修を前倒しすることで、飛行試験の内容の精度を高めるという。
同社は1月に、本社を県営名古屋空港内に移転。1つのフロアに集約し、開発体制を強化した。三菱航空機には約1500人おり、三菱重工業(7011)や協力会社なども含めると、約3000人がMRJにかかわっている。
飛行試験5号機はANA塗装
初飛行やその後の試験に向けて、2機の強度試験機と5機の飛行試験機の製造が進んでいる。
強度試験は型式証明や耐空性証明の取得に必要な試験で、大きく2種類実施される。機体の強度を保証する「全機静強度試験」では、運用中に予想される最大の力に耐えられるかを、試験場に置かれた機体全体に負荷をかけて検証。耐久性を保証する「全機疲労強度試験」では、想定する寿命に対して運用中に予想される繰り返しかかる力に耐えられるかを、負荷をかけて調べる。
静強度試験は昨年から始まっており、
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