4月1日に羽田空港内の格納庫で開かれた、日本航空(JAL/JL、9201)をはじめとするJALグループ32社の入社式。1064人が出席し、社会人としての第一歩を踏み出した。
2014年1月に同社とパソナグループのキャプランが開講した、客室乗務員(CA)を目指す学生向けの講座「JALエアラインアカデミー」1期生、中村幸菜さんと大久保悠希さんも夢を実現し、CAとしてJALに入社した。入社式の会場はアカデミーの開講式と同じ格納庫「M2ハンガー」だ。
感謝の気持ちと自分らしさ
アカデミーは、専門学校や大学に通いながら受講できるダブルスクール形式で、第1期は38人が受講。このうち就職活動中の学生は28人で、6割にあたる17人がJALの内々定を獲得した。1クラス15人程度の少人数制を採用し、ビジネスマナーや立ち居振る舞い、話し方、英語力などを学ぶ。
中村さんには、2014年1月の開講式でCAを志望する動機を聞いた。小学5年生の時、家族旅行でJALに乗った際、空の旅に不安がっていた中村さんにCAがやさしく接してくれたことが、この道を目指した原点だった。
「アカデミーで先任客室乗務員の方から、『形は心を表わし、心は形を作る』と教わりました。その言葉から、どんなに小さなことにも感謝の気持ちを持つことと、何事も相手の気持ちに立って行動することを学びました」と中村さんは振り返る。
JALの入社式では、新入社員が紙飛行機を飛ばす。中村さんにとっては、待ち焦がれた瞬間だった。「紙飛行機を飛ばすのがゴールではなく、自分の人生やCAの仕事を考え、ここで終わらせずに先を目指してがんばりたいです」と身を引き締めた。
大久保さんは、自分らしさの大切さを学んだことがアカデミーでの収穫だった。そして、「多くの現役CAの方とふれあえたことが大きかったです。その中から職業への熱意を学べました」と、航空会社が携わる講座ならではの体験が役立ったという。
入社式を迎えて大久保さんは「家族や就職活動を支えてくれた人への感謝の気持ちが大きく、恩返しをしていきたいです」と話す。
人として大切なことを学ぶ
CAという憧れの仕事のスタート地点に立った中村さんと大久保さん。アカデミーへ進む後輩へのメッセージを聞いてみた。
中村さんと大久保さんは、CAになることがゴールではないと強調する。
「入りたての時は、JALのCAになりたいという思いが先走っていたこともありましたが、その気持ちが間違っていたとアカデミーで学びました。CAになることが最終目的ではなく、その先にある“人として大切なこと”が学べる場です」(中村さん)と、単にCAを目指すだけの講座ではなかったと振り返る。
「初心を思い出すことは簡単なようで難しいです。がんばってきたことを忘れず、胸に止めていきたいです」と話す中村さん。アカデミー1期生たちは、どのようなCAとして羽ばたいていくのだろうか。
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JALエアラインアカデミー
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