全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は4月1日、羽田空港の同社機体メンテナンスセンター東京第2格納庫でグループ合同入社式を開催した。2015年度はグループ32社に1189人(男性326人、女性863人)が入社した。式にはこの日就任した片野坂真哉ANAHD社長のほか、ANAHDの伊東信一郎会長、ANAの篠辺修社長、内薗幸一副社長が出席。ボーイング777–200型機(登録番号JA745A)も列席した。
片野坂真哉社長は「安全は経営の基盤であり、社会への責務」とあいさつ。1971年の雫石事故や1966年の松山沖事故などを例に挙げ、安全の大切さを説明した。航空事業だけでなく、機内食や販売する食料品、個人情報などで、利用者に対し安全・安心を守る必要があると強調。「安全を守って、利用者に安心してANAグループを選んでもらうことの大切さを胸に刻んでほしい」と話した。
ANAHDは長期戦略構想で、2025年度の国際線売上高を2015年度比で1.5倍に拡大し、国内線を逆転すると発表している。片野坂社長はこれらの目標をについて、「皆さんが推進役」とし、「グループ各社で各自の才能や個性を伸ばして、自己の成長をグループの成長につなげてほしい」と激励。「社会に出ると、すべてが上手く行くわけではない。失敗するなら、チャレンジして失敗してほしい」と、努力することの大切さを説いた。
新入社員を代表して、ANAの総合職事務職に配属されるヌーリ・マルワンさん(25)があいさつ。「片野坂社長のメッセージを受け、身の引き締まる思い」とし、「グループの一員として、安全・安心を心に刻みたい」と抱負を語った。
式典後、新入社員とともに、片野坂、篠辺両社長がパネルに寄せ書き。片野坂社長は「次は宇宙へ」、篠辺社長は「より高く、より強く、より楽しく」と記した。
片野坂社長は就任初日を迎え、「社長としての初仕事。新入社員と同じようなフレッシュな気持ち。緊張している」と話した。寄せ書きについては、自身が入社して間もないころのエピソードを披露。社内報に「『将来のANAは、いつか宇宙を飛んでいる』と書いた。宇宙は『新しい分野』への挑戦でもある」と説明した。
式典ではグループの有志で結成したバンド「ANA Music Service(ANAミュージックサービス)」のメンバー43人のうち17人が結集。葉加瀬太郎さんの『Another Sky』やテレビドラマ『Good Luck!!』のテーマ曲『Departure』などを演奏し、新入社員を歓迎した。
メンバーのひとり、崔竜さんは「練習は26日に開始して、メンバーが集まったのは4回だけ」と、メンバーのシフトがバラバラの中で練習したエピソードを明かした。「全体で合わせたのは、今日が初めて。ぶっつけ本番。質には難があるかもしれないが、そこは『ライブ感』で……」と笑った。
関連リンク
ANAホールディングス
全日本空輸
・植木社長「新しいことに挑戦する勇気を」JAL、15年度入社式(15年4月1日)
・スカイマーク、パイロット訓練生ら11人入社 有森社長「本当に感謝」(15年4月1日)
・ANA、入社式にジャンボも”列席” 寄せ書き「ちょっと書きにくかった」(14年4月1日)