スカイネットアジア航空(ソラシド エア、SNJ/6J)は3月29日、那覇-石垣線と中部(セントレア)線を開設した。同社が石垣と中部に就航するのは初めて。2路線とも全日本空輸(ANA/NH)とコードシェアを実施する。
特産品輸送にも意欲
那覇-石垣線は1日2往復。昼便の石垣行き6J45便は那覇を午前11時15分に出発し、石垣に午後0時15分に到着する。折り返しの那覇行き6J46便は石垣を午後0時50分に出発し、那覇着は午後1時45分。7月1日から9月30日までは、出発と到着ともに10分前倒しになる。一方、夜便の6J49/50便は午後5時45分那覇発と、午後7時20分石垣発で運航する。
運航機材は、現在12機保有しているボーイング737-800型機(174席)。SNJの便数は、28日までの2014年冬ダイヤでは1日31往復だったが、29日に始まった夏ダイヤでは新路線開設で34往復に拡大した。
那覇-石垣線の石垣行き初便の6J45便(737-800、登録番号JA811X)は、午前11時13分に乗客174人(幼児5人含む)を乗せて那覇を出発し、午後0時7分に到着。折り返しの石垣発初便の6J46便は乗客165人(幼児1人含む)を乗せ午後0時55分に那覇へ出発し、午後1時44分に着いた。
同社の髙橋洋社長は、「6年前に那覇まで九州から入ってきた。6年掛かって、(石垣島のある)八重山(諸島)に足跡を記すことができた」とあいさつ。「石垣の素晴らしさを、多くの人に実感して欲しい。観光を超えた、地域と地域との人のつながりを、エアラインとしてサポートさせていただきたい」と抱負を述べた。
また、マンゴーやパイナップルなど、八重山諸島の特産品の貨物輸送にも意欲を示した。
目標利用率は65%前後
同路線は、スカイマーク(SKY/BC)が29日から運休。SNJが開設した2往復でコードシェアを実施するANAは、1日8往復から6往復に減便した。日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)や琉球エアーコミューター(RAC)の運航便を合わせると、那覇-石垣間は28日までは1日19往復だったが、SKY撤退後は17往復に減少した。
髙橋社長は運賃を発表当初、地元からSKYと比べて割高だと批判された点について、「SKYが撤退したからではなく、前から八重山に出たかった」と、就航の経緯を語った。
その上で、「搭乗日の28日前までに予約していただければ片道4800円の運賃を提供している。当初はANAとJTAに適用される(生活路線の)補助金が対象外だったが、沖縄県と石垣市が動いてくださった。(離島居住者向け運賃の)ソラ島割は、4月からANAやJTAと同じ1万500円になる」と、割引施策を強化したことに理解を求めた。
今後の運賃については当面現状を維持するとし、「赤字で安い運賃を出すのではなく、きっちり黒字を確保して、その上で少しでもコストを下げて安い運賃を出すのがソラシドらしいやり方」と述べた。同社はかつてのSKYのユニットコストと同等となる、8円台前半を実現しており、コスト競争力に自信を示した。
髙橋社長は「ロードファクター(座席利用率)が64から65%でも黒字が出るコスト構造」として、那覇-石垣線についても、単独で65%前後を達成することを目標に掲げた。また、「ユニットコストが8円台から7円台に下がれば、もっと値段を下げても黒字を確保できる」と語った。
計画中の国際線については、「2015年度中にチャーター便を飛ばしたい。国内線が充実してきたので九州にこだわらず、九州・沖縄とアジアをつなぐ可能性が将来出てくる」と述べ、近距離アジアへのチャーター便から始めると述べた。
一方、国際チャーター便実現への課題として、機材繰りに余裕がない点を挙げ、「余裕がある時に運航し、13号機以降の計画につなげたい」と語った。
運航スケジュール
6J45/46便(昼便)
3月29日から6月30日、10月1日から24日
6J45 那覇(11:15)→石垣(12:15)
6J46 石垣(12:50)→那覇(13:45)
7月1日から9月30日
6J45 那覇(11:05)→石垣(12:05)
6J46 石垣(12:40)→那覇(13:35)
6J49/50便(夜便)
3月29日から10月24日
6J49 那覇(17:45)→石垣(18:45)
6J50 石垣(19:20)→那覇(20:15)
関連リンク
ソラシド エア
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