タイのLCC(低コスト航空会社)のノックスクート・エアライン(NCT/XW)は、3月末までに予定していた成田-バンコク(ドンムアン)線の定期便就航を延期した。国土交通省航空局(JCAB)の認可が間に合わないため。
同社はタイ国際航空(THA/TG)系LCCのノックエア(NOK/DD)とシンガポール航空(SIA/SQ)系LCCのスクート(SCO/TZ)が合弁で立ち上げた。拠点はバンコクのドンムアン空港で、機材はボーイング777-200型機。3月22日から運航を始めた成田空港と関西空港へのチャーター便は、28日まで予定通り運航する。
認可が間に合わない背景には、ICAO(国際民間航空機関)がタイ航空局に対し、安全審査体制が基準を満たしておらず「重大な安全上の懸念(SSC)」があるとして、改善を求めているとみられる(関連記事)。
タイ航空局がSSCを指摘されると、タイの航空会社は日本をはじめとするICAO加盟国への新規就航や、増便などのスケジュール変更、機材変更などが出来なくなる。SSC指摘前に認可された変更などは対象外で、現在就航している便は運航を継続出来る。
同様の事例では、ICAOは2009年にフィリピンの航空当局に対してSSCを指摘。2013年にSSC指定を解除している。
日本政府観光局(JNTO)の統計によると、タイからの訪日者数は、2013年は前年比74.0%増の年間45万3642人で、今年1月は前年同月比64.9%増の4万4800人と、大幅な増加傾向がみられる。観光庁の「訪日外国人消費動向調査(2013年版)」によると、タイ人観光客の旅行形態は個人旅行が67.1%、団体旅行が32.9%で、滞在日数は4-6日間が53.8%で最多。都道府県別では東京都が63.1%でもっとも多く、大阪府(33.1%)、京都府(23.1%)、山梨県(19.9%)、北海道(19.2%)と続いている。
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