ピーチ、仙台拠点化へ　国際線就航も

　ピーチ・アビエーション（APJ/MM）は3月9日、仙台空港を拠点（ハブ）化すると発表した。関西、那覇、成田に続くもので、2017年夏までに拠点化する。同社では仙台拠点化で、増加する訪日需要を東北地方にも拡大を図る。

仙台空港に着陸するピーチ・アビエーションの到着初便＝13年4月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　仙台空港での夜間駐機は、当初1機からスタート。状況により増機を検討する。路線数は未定としながらも、国際線就航も視野に入れた拠点化を目指す。

　同社は関空と那覇をすでに拠点化し、国内外路線の拡充を図っている。成田の拠点化については計画を発表しているものの、現時点で時期は未定。同社によると、仙台を先に拠点化することもあるという。仙台以降の第5拠点化についても計画中で、拡大を視野に入れている。

　仙台路線は関空発着のみ。2015年夏ダイヤ（8月）では、1日最大4往復を運航する。搭乗率は公表していないものの、好調だとしている。同社によると、2012年3月に1路線目の運航を開始した当初から、仙台は拠点候補地のひとつだったという。

　2011年3月11日に発生した東日本大震災では、仙台から関西方面に避難した被災者も多い。同社では、「今後は震災前よりも経済を活性化させる段階に入るので、復興を支援したい」と、拠点化により復興や人的交流などを後押しする考えを示した。

　仙台空港は2016年3月、地方中核空港としては初となる民営化を予定している。宮城県と同社は以前から路線拡大などの交渉を進めてきたが、拠点化については伝えていなかったという。拠点化の詳細や支援策などについて、県とこれから話し合いを進める。

　民事再生手続き中のスカイマーク（SKY/BC）は仙台発着の3路線についても、3月29日から札幌線と福岡線が運休することから、残る神戸線の撤退を検討する。3月にSKYが国交省へ撤退を届け出た場合、9月までの運航となる見通し。

　SKYの撤退との関連性について、同社は「ない。当初から計画していた」と否定している。

関連リンク
ピーチ・アビエーション

・仙台空港で黙祷、あす大友克洋氏の壁画除幕式（15年3月11日）
・ピーチ、那覇第2拠点強化へ　ソウル開設福岡増便（15年3月5日）
・ピーチ、那覇－香港線就航　15年度ベトナムやタイ視野に（15年2月21日）
・ピーチ、成田便拡大　札幌・福岡線開設、第3拠点化へ（15年2月10日）
・恩返しは歌声に乗せて　ピーチ、復興支援感謝プロジェクト（14年10月29日）
・ピーチ、10号機は「ウイング・オブ・東北」　福島の小学生が命名（13年8月7日）
・ピーチ、仙台線開設　LCC初の東北就航（13年4月12日）

・スカイマーク、米子全路線9月から運休　仙台も今秋撤退検討（15年3月2日）
・仙台空港、国内初の民営化へ　国交省で説明会（14年5月2日）

ピーチ井上CEOインタビュー
（番外編）「変な常識が航空業界ある」羽田深夜便が秘める可能性（15年3月4日）
（下） 「ディズニーランド日帰りで行きたいねん」人生が楽しくなるLCCへ（15年3月3日）
（中） 「成田でいいから東京飛んで」首都圏進出、利用者が背中押す（15年3月2日）
（上）「これおもろいやん！」乗客が生み出した“第4の客層”（15年3月1日）

【お詫び】
4段目、関西－仙台路線の便数を「1日最大3往復」としていましたが、8月に4往復に増便します。お詫びして訂正します。（2015年3月9日 20:45 JST）