中国最大のLCC(低コスト航空会社)の春秋航空(CQH/9C)と新関西国際空港会社は3月3日、関西空港の拠点化で合意したと発表した。海外のLCCが関空を拠点化するのは初めて。
CQHは2014年3月15日、関西-上海線を週7往復で開設。現在関空からは上海(週14往復)のほか、天津(週4往復)と武漢(週4往復)、青島(週3往復)、重慶(週3往復)、蘭州(上海経由、週7往復)へ運航している。いずれも機材はエアバスA320型機(180席)。
拠点化により、関空での機材整備や夜間駐機が可能になる。当初は3機を駐機させ、毎年1機ずつ増やしていき、5年後の2020年には8機から10機程度の規模にする。
29日に始まる夏ダイヤでは、関空から鄭州(テイシュウ)と西安、成都、 泉州への4路線の新設を計画。CQHによると、関空路線のロードファクター(座席利用率)は96%で、9割が中国人客だという。
CQHは現在、フルサービス航空会社(FSC)が乗り入れる第1ターミナルを使用している。2015年度中に、現在ピーチ・アビエーション(APJ/MM)のみ使用している第2ターミナル(LCCターミナル)へ移転予定。その後、2016年度下期に開業が計画されている国際線専用第3ターミナルへの再移転を計画している。CQHは中国内陸部からの旅行客を中心に需要を開拓し、2020年には関空と中国20都市以上に週100便以上を就航させる見込み。CQHが海外に拠点を設けたのも、関空が初となる。
CQHの機材はA320が54機で、子会社で成田を拠点とする春秋航空日本(SJO/IJ)はボーイング737-800型機(189席)が3機。中国国内線94路線と国際線35路線の、計129路線を展開している。
CQHによると、SJOについても関空への乗り入れを計画中。その他の日本国内の都市や日本発の中国本土、台湾、香港、マカオ、東南アジア、韓国へのSJOによる国際線開設も検討を進めているとした。
新関空会社の安藤圭一社長は、「APJ、ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)、CQHと3社のLCCが拠点化し、大きな3本の柱となった」とCQHの拠点化を評価。「エアアジア(グループ)やスクート(SCO/TZ)に対しても積極的にアプローチしている」と述べ、LCC誘致を加速していく意向を示した。
CQHの第1から第2へのターミナル移転で第1ターミナルの混雑は緩和されるものの、第2ターミナルは「国内線は満杯に近い」(安藤社長)。計画が進む第3ターミナルの拡大や第4ターミナル新設についても、「具体的にスケジュールを決めていないが、早めないといけないかもしれない」と語った。
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春秋航空
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