エアライン — 2015年2月2日 15:15 JST

バニラエア、ソウル線3月運休へ 新路線「現時点で計画なし」

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 バニラエア(VNL/JW)は、成田-ソウル(仁川)線を3月28日で運休する。1日1往復で運航していたが、座席利用率(L/F)と収益のバランスから判断した。今後はソウル線の機材やコストを他路線にシフト。「選択と集中」を進める。

成田-ソウル線を運休するバニラエア=14年11月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 現在、同路線はVNLのほか日本航空(JAL/JL、9201)や大韓航空(KAL/KE)、アシアナ航空(AAR/OZ)など、計7社が1日12往復運航している。VNLは路線ごとのL/Fは公表していないものの、ソウル線のL/Fは、国際線の2014年11月実績に近い「8割程度」(VNL担当者)だという。

 VNLの北原宏常務取締役オペレーション本部長は2月1日、「現時点での具体的な計画はない」と新路線の計画について言及。VNLは現在、ソウル線を含め国際線を4路線、国内線を3路線運航。国際線と国内線の比率を7対3とする路線計画を発表している。

 2014年11月のL/Fは、国内線が81.8%、国際線が86.7%、合計で84.3%。同年10月と比較すると、それぞれ10.0ポイント、2.1ポイント、8.4ポイント上昇している。L/Fの上昇に伴い、客単価が具体的にどの程度上がったかについては、北原常務は「それなりに上がっている」とし、明言を避けた。

 同年11月の定時出発率は、国内線が96.5%、国際線が81.6%、合計で88.9%。同年10月と比較すると、国内線が5.1ポイント上昇、国際線が5.8ポイント、合計で1.2ポイント、それぞれ低下している。「目標は85%」(北原常務)で、現段階ではクリアできているとの認識を示した。

 VNLの夏ダイヤでは、国内線と国際線ともに3路線ずつ運航。1日あたりの運航本数は、成田-札幌線が最大8往復、那覇線が最大4往復、奄美大島線が1往復、台北線が3往復。2月1日には高雄線を1往復で就航。2014年11月に就航した香港線は1往復で、2月21日からは2往復に増便する。

 現在7機を保有するエアバスA320型機を、2月中に1機受領し8機体制になる。これまでは代替機がない状態での運航が続いていたが、8号機の追加とソウル線運休により「多少ゆとりのある」(VNL担当者)機材繰りが可能となる。

 VNLは2014年12月、奄美大島線で有効な定期券「Vaniller’s Pass(バニラーズ・パス)」を発売。1カ月有効のパスを2カ月分、各50枚ずつ用意したが、完売には一歩届かなかったという。当初、奄美でのサーフィンやダイビングなど、マリンスポーツ愛好家の取り込みを図ったが、首都圏在住の奄美出身者が介護など「想定してなかった」(VNL担当者)方法での利用が多かったことから、今後は路線の拡大も検討するという。

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