スカイマーク(SKY/BC、9204)がエアバスA330-300型機導入による、キャンペーン用のミニスカート制服を発表してから1年が過ぎた。今年3月の国内でのお披露目でも、大きな注目を集めた。
そして、昨年の今頃の予定では2階建ての超大型機、A380を成田-ニューヨーク線に投入。国際線定期便に進出しているはずだった。
現在、SKYは日本航空(JAL/JL、9201)や全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)と、コードシェア(共同運航)について、協議を進めている。同時に、米子空港からの撤退やリース機材の早期返却など、合理化も進めている。
JALとの提携については、官邸や自由民主党が単独支援に難色を示したことから、SKYとJALの提携話が一転、政治的な話になってしまった。
衆議院選挙も終わり、24日からは国土交通大臣の再任をはじめ、副大臣や政務官の任命など、政治的な体制が固まっていく。このことから、年内に3社の提携話が大きく進む可能性は消え、年明けに持ち越すことになった。
─ 記事の概要 ─
・減少する現預金
・経営の独立性と運賃競争にこだわる
・利用者不在の“政治主導”
・米子撤退で路線再編は一段落?
SKYにとって、激動の年となった2014年。これまでの動きをトレースすると共に、今後の課題を探る。
減少する現預金
SKYの業績悪化は、急激な為替の円安進行や、このところ一段落した原油価格の高騰などの影響が大きい。これに加えて、10月で撤退した成田路線など、不採算路線が足を引っ張っていた。2015年3月期通期単体の純損益は、過去最大の136億7600万円の赤字(前年同期は18億4500万円の赤字)となる見通しだ。
業績悪化を受け、エアバスは7月に、SKYが6機発注していたA380について、契約解除を通告した。エアバスがSKYに求めている違約金は、7億ドルにのぼるとみられる。エアバスは交渉に期限を設けておらず、今回のJALやANAとの提携が具体化後、着地点を探ることになる。
SKYの9月末時点の現預金残高は45億4900万円で、2014年3月期末から25億1600万円減少した。高額の固定資産をリース会社などに一旦売却し、リース契約を結ぶ「セール・アンド・リースバック」により、フルフライト・シミュレーター(FFS)3台と作業用車両36台を合計18億円で売却。手元資金を確保したものの、資金ショートの不安を払拭するには、十分な額とは言えない。
日本国内の人口減少に伴い、今後国内線市場に劇的な成長を求めるのは難しい。SKYがA380による国際線進出を計画した背景には、LCC(低コスト航空会社)の参入による価格競争の激化だけではなく、成長の見込めない国内線のみに依存する体質からの脱却があった。ところが、成長ドライバーと位置づけた国際線で勝負をする前に、会社存続の危機に陥った。
一方で、シートピッチが広い「グリーンシート」を全271席に導入したA330-300は、ギャレー(厨房設備)の構造が国際線にも使用できるようになっている。コードシェア提携をはじめとする経営再建が前進すれば、ハワイなど中距離路線で国際線に参入する可能性はある。
しかし、SKYが参入すれば必ず大手や海外勢が攻勢を仕掛けてくるだろう。まずは、国内線を席巻していた、数年前の体制に戻すところから始めるのが現実的だ。
経営の独立性と運賃競争にこだわる
SKYがJALに対して、経営支援を要請したのは11月。両社は旅客や貨物分野でのコードシェアについて、検討を進めている。本来はSKYとJALの提携話だったが、相も変わらずJAL憎しの一部政治家による介入で、政治色のついた話になってしまった。
12月15日夕方、SKYの西久保愼一社長はANAホールディングスの幹部と会い、
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