エアライン, ボーイング, 企業, 機体 — 2014年12月10日 19:08 JST

南ア農家、バイオ燃料用タバコ収穫へ 15年に試験飛行も

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 ボーイングと南アフリカ航空(SAA/SA)は現地時間12月9日、持続可能なジェット燃料(バイオ燃料)生成用のタバコ植物の収穫を、まもなく開始すると発表した。

ソラリスを育てる南ア農家(ボーイング提供)

 ボーイングとSAA両社は、バイオ燃料を研究するオランダのSkyNRG社、植物の遺伝子などを研究・開発するイタリアのSunchem社と提携し、今年8月にプロジェクトを立ち上げた。南アフリカ北東部のリンポポ州マーブルホールで展開するもので、現地農家がバイオ燃料の材料となる作物「ソラリス」を育てている。農地面積は50ヘクタール。

収穫を待つソラリス(ボーイング提供)

 ソラリスはタバコ農家がタバコの代わりに生産できるもので、ニコチンを含まない。バイオ燃料はソラリスの種子から生成。SAAは生成したバイオ燃料を使用し、早ければ2015年には試験飛行を実施する。

 現在は種子からのみ生成するが、今後数年間で葉や茎からの生成技術を開発する。

 バイオ燃料は機体メーカーや航空各社が開発に本格的に着手している。5月にはボーイングとエンブラエルが、研究機関をブラジルに共同設立。同月エアバスは、ユーカリから製造したバイオ燃料が航空機に適しているとの研究成果を発表している。10月にはボーイングとCOMAC(中国商用飛機有限責任公司)がいわゆる「下水油」から精製するバイオ燃料を研究を開始。12月にはボーイングやFAA(米国連邦航空局)などのチームが、使用済み食用油などから製造した持続可能なバイオ燃料「グリーン・ディーゼル」で試験飛行を実施した。

関連リンク
Boeing
ボーイング・ジャパン
南アフリカ航空
SkyNRG
Sunchem

ボーイング、787でグリーン・ディーゼル飛行実験 CO2削減90%(14年12月4日)
ボーイング、787で環境性能実験 新技術25以上(14年11月18日)
ボーイング、下水油からバイオ燃料 中国COMACと共同研究(14年10月22日)
ボーイング、タバコ種子からバイオ燃料生成へ 南アフリカ航空などと提携(14年8月7日)
ボーイングとエンブラエル、バイオ燃料研究機関を共同設立 ブラジルに(14年5月13日)