スカイマーク(SKY/BC、9204)は日本航空(JAL/JL、9201)に対し、経営支援を要請した。要請を受け、JALは旅客や貨物分野でのコードシェアを検討する。
SKYは業務提携を含む経営支援をJALに要請。しかし、国土交通省航空局(JCAB)がJALに対して2012年8月10日に示した文書「日本航空への企業再生への対応について」(いわゆる8.10ペーパー)では、2016年度までの投資や路線計画について、同局が監視することになっている。
このため、両社は資本提携まで踏み込まず、国内幹線の羽田-福岡線や札幌線でコードシェアを実現したい考え。福岡線は座席幅が広い「グリーンシート」を備えたエアバスA330-300型機(271席)で運航しており、12月からは全便がA330での運航になる。札幌線も一部便にA330を投入しており、SKYの主力であるボーイング737-800型機(177席)と比べて、A330の運航便は1便あたりの座席供給量が1.53倍となっている。
8.10ペーパーに抵触する支援についてはJCABが難色を示しているものの、同局へは具体的な内容までは説明していない。
JCABによると、羽田空港の国内線シェアはJALが184.5枠で40.0%、全日本空輸(ANA/NH)が172.5枠で37.4%、SKYが36枠で7.8%。現在ANAは、SKYを除く新規航空会社3社(スカイネットアジア航空、エア・ドゥ、スターフライヤー)とコードシェアを実施しており、ANAと新規3社を合計すると52.2%になる。
両社はANAと新規3社による国内線シェアが過半数を超えていることから、競争環境の健全性を維持したいとして、JCABに対して提携への理解を求めていく。
JALとSKYがコードシェアを実施した場合、ANA系の52.2%に対して2社は47.8%で、SKYとANAが組むとANA系が60%、JALは40%となる。
一方、SKYが提携先として検討していたアジア最大のLCC(低コスト航空会社)、エアアジア・グループとの交渉は、今夏までに打ち切っている。
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