関西空港と伊丹空港の運営権を民間にコンセッション方式で売却する新関西国際空港会社は11月12日、募集要項の配布を開始した。商社や金融機関など国内外100社以上が関心を示している。
募集要項によると保証金の最低額は1750億円で、運営開始後5年間に約3分の1にあたる560億円を返還。事業者の負担を軽減する。
運営権の対価は7月発表から変わらず、総額2兆2000億円以上。事業者の年間支払額は、当初490億円以上を45年間支払うとしていたが、固定資産税などを除いて年額392億円に改めた。
コンセッション方式は、両空港の滑走路やターミナルなどの資産を、国が100%出資する新関空会社が所有したまま、公募により選定される民間企業が設立する特定目的会社(SPC)が運営する方式。運営期間は2015年度から2059年度までの45年間で、運営権を取得したSPCによる新会社は、着陸料などを設定できるようになる。着陸料のほか、ターミナルの商業施設売上などの運営収入を得る。
今後のスケジュールは、2015年2月16日が一次審査書類の提出期限で、結果は3月17日に発表。5月20日の二次審査書類の提出期限を経て、6月に優先交渉権者を選定した上で、8月に運営権を設定する。契約は9月に国土交通大臣の認可を得てを締結し、新会社による運営開始は2016年1月を予定している。
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