ボーイングは日本時間11月10日、大手航空機リース会社のSMBCアビエーションキャピタルから、737 MAX 8を80機受注したと発表した。カタログ価格で総額85億ドル(約9703億円)で、2018年から2022年の引き渡しを予定している。
737 MAX 8の座席数は最大189席(1クラス仕様)で、日本国内で多くの航空会社に採用されている737-800の後継機。CFMインターナショナル製の新型エンジン「LEAP-1B」を搭載し、燃費を14%以上改善するとしている。SMBCアビエーションキャピタルでは、アジアや新興国のLCC(低コスト航空会社)をはじめ、欧米の大手航空会社などにリースする。
SMBCアビエーションキャピタルのピーター・バレットCEO(最高経営責任者)は、契約内容について「顧客の要望に応じて、さまざまな737 MAXシリーズを提供できる契約」と説明。7月に英国で開かれたファンボロー航空ショーでボーイングが発表した、LCC向けの200席仕様「737 MAX 200」も選択可能であることを明らかにした。
SMBCアビエーションキャピタルは同航空ショーで、エアバスとA320neoを中心にA320ファミリー計115機を発注する契約を締結。A320の次世代機であるA320neoと比べた737 MAX 8の利点について、ボーイング民間航空機部門のレイ・コナー社長は、「A320neoは2種類のエンジンを選択できるが、737 MAXはLEAP-1Bのみで、機体とエンジンを最適化できる」と語った。
円安局面での導入について、SMBCアビエーションキャピタルを住友商事(8053)などと共に傘下に持つ三井住友フィナンシャルグループ(8316)の宮田孝一社長は、資金調達が外貨建てであるとして「為替影響はニュートラル」と述べた。
ボーイングによると、航空機リース会社からの737 MAXの単一受注と、日系航空機リース会社からのボーイング製民間機の単一受注では過去最多となった。
737 MAXシリーズは、737 MAX 8と同200のほか、最大149席(1クラス)の737 MAX 7、同215席の737 MAX 9の計4機種がある。737 MAX 8のローンチカスタマーであるサウスウエスト航空(SWA/WN)への初号機引き渡しは、2017年7-9月期(第3四半期)を計画している。
SMBCアビエーションキャピタルは、三井住友FGと三井住友銀行、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、住友商事からなるコンソーシアム傘下。2012年6月に同コンソーシアムが、英国大手金融機関ロイヤルバンク・オブ・スコットランドグループ(RBS)傘下の航空機リース事業を共同買収して運営を開始した。
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