エアライン, 空港 — 2014年11月3日 11:30 JST

「透明性確保を」バニラ石井社長、成田の施設利用料に要望

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 バニラエア(VNL/JW)の石井知祥社長は11月2日、成田国際空港会社(NAA)が2015年4月にLCC(低コスト航空会社)用の第3ターミナル開業と同時に、施設利用料(PSFC)の徴収対象を拡大することについて、「透明性を確保して欲しい」と要望を述べた。成田-香港線の就航式典で、Aviation Wireの質問に答えた。

建設が進む成田のLCCターミナル=11月2日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 NAAは、2015年4月8日に第3ターミナル(LCCターミナル)を開業予定。これまで国際線利用者からのみ徴収していたPSFCを、LCCを含む国内線利用者にも負担させる。

 PSFCはロビーなどの整備や維持費用に充てるとされる利用料で、第3ターミナルの国内線を利用する場合、1人1便ごとに大人380円、子供190円がかかる。国際線は、出国時が大人1020円と子供510円、乗り継ぎ時が大人510円と子供250円で、さらに旅客保安サービス料(PSSC)を大人子供共通で520円を上乗せする。

 従来は徴収していなかった第1と第2ターミナルの国内線利用者についても、大人440円、子供220円を新たに徴収する。

 PSFCは当該利用者に対して無条件に負担させるため、NAA側がPSFCを用いた事業実績を残すために不要な支出をしないかなど、透明性や妥当性が求められる。

 Aviation Wireが「LCCが努力して運賃を下げても、NAAがPSFCという形で横取りすることをどう考えているのか」と質問したことに対して、石井社長は「透明性をもって、施設整備や改善をやっていただきたい。きちっとやっていれば、お客様もある程度は理解していただける部分もあるだろう」と応じた。

 また、「羽田が便利になっていく中で、注意してやっていかないといけないのでは」(石井社長)と、羽田との住み分けの中でLCC誘致を進める成田に対し、利用者視点に立った施策が求められるとの考えを示した。羽田では、11月から着陸料の引き下げが、10月26日からは都心への深夜バス運行の実証実験など、利便性向上が進められている。

 第3ターミナルの利用者数は年間750万人程度を見込む。ターミナル基礎部分の事業費は111億8000万円で、全体の事業費は約180億円から200億円になるとみられる。200億円以下では180室のホテルが建設でき、JALの本社(東京・天王洲)の建物が1996年の完成当時で500億円と言われていることから、LCC各社からは事業費の高さが度々指摘されている。

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