日本航空(JAL/JL、9201)とパソナグループのキャプランが開く客室乗務員を目指す学生を対象とした「JALエアラインアカデミー」は11月1日、第2期の閉講式を都内で開いた。
同アカデミーは、専門学校や大学に通いながら受講できるダブルスクール形式で、第1期は38人が受講。6割にあたる17人がJALの内々定を獲得した。第2期は50人以上の応募があり、7月下旬から3カ月強の講義期間中に出席できることが確認出来た42人が受講した。閉講式には、半数近い受講生の親も列席した。
事務局によると、受講生の7割以上が首都圏在住の大学3年生。遠距離から通う人や大学2年生、4年生、専門学校生も受講した。
講義は4クラスに分かれて受講。閉講式では各クラスの担任が、これまでの受講生の学ぶ姿勢を評価するとともに、来年3月から始まる就職活動に向けて、自信を持って挑んで欲しいとねぎらった。
3組代表の細窪麻未さん(大学3年生)は、サッカー好きでクラブチームでのインターンを経験していた。答辞の中で細窪さんは「クラブチームへの就職を考えており、留学を90%決めていた。開講式の日、ほかのクラスは連絡先を交換し合う中、数人ごとにさっさと帰ってしまったこのクラスは大丈夫なのかと不安になった。しかし、ただの仲良しグループではなく、今までは友人にも言い出せなかった悩みを打ち明けられる仲間になった」と、受講当初の戸惑いと、かけがえのない仲間を得られたことへの謝意を述べた。
「スポーツ界を目指していた自分の経歴は役に立たないのではと、コンプレックスに感じていたが、先生方は真剣に聞いてくれた。バイト先のレストランでも、笑顔を褒めてもらえるようになった。3組のみんなでJALグループで働くことを目指したい」と抱負を語った細窪さん。「お父さん、今日は来てくれてありがとう。飛行機に乗せてあげるので、それまでのんびり行きたいところを決めて欲しい」と、両親への謝意で答辞を締めくくった。
4組代表の中村咲瑛子さん(大学3年生)は、母親がJALの先任客室乗務員(チーフキャビンアテンダント)。式に母親を呼んだが、答辞を読むことは伏せていた。「几帳面な母親と正反対の自分が、客室乗務員を目指せるか自信がなかった」と打ち明ける中村さんは、大学2年生になるまで客室乗務員を目指すことはなかったという。アカデミーを受講中も、母は口出しすることはなく、そっと寄り添い続けてくれた。
3カ月の受講で「今まで“さえちゃん、さえちゃん”と呼ばれていたのが、お互い親離れ子離れができた」と話す中村さん。理想の客室乗務員像を尋ねると、「中村さんのサービスを受けたいと言われるJALの客室乗務員になりたい」と元気に答えた。
閉講式の最後には、アカデミーのスタッフが受講する姿を撮りためたアルバムが、記念品として贈られた。同アカデミーの伊東絹子スーパーバイザーは、「急がず、休まず、前へ進んで欲しい」と、これから就職活動の本番を迎える受講生にエールを送った。
その後は懇親会が開かれ、担任や受講生、親が話に花を咲かせた。会場では受講の様子をまとめたビデオが流されたほか、3組の保坂響子さん(専門1年生)がバイト先で作ったというJAL機を描いたケーキが披露され、3組の受講生に勧められた担任や講師たちがケーキをほおばった。
同アカデミーでは、12月9日開講(2015年3月21日まで)の第3期受講生を、11月11日まで募集している。事務局によると、募集が多いことからクラスの増設などを検討したいという。
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