日本航空(JAL/JL、9201)の植木義晴社長は10月24日、北海道の高橋はるみ知事と道庁で会談し、北海道エアシステム(HAC、NTH)の再子会社化が完了したことを報告した。
JALは経営破綻後の2011年3月に、HACの経営から撤退。これまでは北海道がHACの筆頭株主だった。再子会社化にあたり、JALは北海道などからHAC株を売却時と同額の1株3万1500円で買い戻し、出資比率を14.49%から過半数を占める51.23%に引き上げた。これにより、北海道は第2位株主となった。
植木社長は高橋知事に対し、「23日に名義書換を終えた。北海道には筆頭株主としてご支援いただいた」と報告。高橋知事は「HACが安全で安定的な運航を継続するには、JALの下で運航することが望ましい」とした上で、「路線維持のため補助金も処置したので、離島路線や現行路線を堅持して欲しい」と要望した。
これに対して植木社長は「JALグループ化後も離島路線を堅持し、他の路線も維持すべく経営を安定化させていく。補助金について御礼を申し上げると共に、道民の翼として道を挙げたサポートをぜひともお願いしたい」と語った。
会談後、「HACをよろしくお願いいたします」と植木社長に声を掛けた高橋知事に対し、植木社長は「お任せください」と応じた。
HACは現在サーブ340B型機(36席)を3機で運航しており、2014年3月期通期決算は、売上高が25億69万8000万円(前期比21.0%増)、営業損益が3486万7000円の黒字(前期は3億565万1000千円の赤字)、経常損益が6451万4000円の黒字(前期は2億9633万9000円の赤字)、純損益は1億3841万7000円の黒字(前期は2億9620万5000円の赤字)。植木社長は路線や機材については、「当面現状を維持し、経営安定化を図る」と方針を示した。
また、JALからの人的支援については現在、取締役2人と執行役員2人、運航乗務員や整備士などが出向している。植木社長は「話し合いの中で必要となれば積極的にやっていきたい。JALグループの経営は各社が主体的に運営、自立することを目指しており、HACの意見を聞いた中で、できる限りのことはさせていただきたい」と述べた。HACが再びJALグループに加わることについては「再上場から丸2年が過ぎ、会社も落ち着きつつある。今までのご恩を返していく中で、意義のあること」と語った。
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【お知らせ】
見出しに路線維持を加筆しました。(2014年10月24日 16:40 JST)