日本航空(JAL/JL、9201)は10月22日、羽田空港で働く国内線のグランドスタッフ(GS、地上係員)を対象に、空港での接客技術を競う社内コンテスト「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」の予選を、東京・羽田で開いた。羽田国内線のGS約600人から選抜された6人が挑み、本選に出場する2人が選ばれた。
同コンテストは2013年2月に初開催。第1回は羽田空港、第2回は福岡空港のGSが優勝し、第2回で羽田は惜しくも準優勝だった。11月中旬には、全国の予選を突破したGSが羽田の訓練施設に集まり、本選が開かれる。
22日の予選会では、アナウンスとカウンターチェックイン業務の審査が行われた。1次となるアナウンス審査では、あらかじめ用意された定型アナウンスと、天候不良による欠航などイレギュラー発生時を想定したシナリオを基に、各自が自分の言葉で語りかけるアナウンスの2つを、日本語と英語で読み上げた。
2次のチェックイン業務審査では、乗客役から手荷物を受託してチェックインを行い、その際に投げかけられる難しい要望への対応を審査した。乗客役の社員は、「自分のベビーカーで飛行機のそばまで行きたい」、「前の旅行でキャリーバッグを預けたら傷が付いた」といった要望や苦情を、実際のカウンターで起きているかのように熱演した。
審査の結果、和泉知子さん(入社11年目)と井上恵さん(3年目)が、最優秀者として本選に進むことになった。表彰式では、審査委員長を務めた東京空港支店長の加藤洋樹執行役員からティアラとマント、表彰状が授与された。
和泉さんは「仲間に選んでもらえたことがうれしかったです」と話し、本選に対しては「全国から1位になった接客のプロが集まるので、自信を持って望みたいです」と決意を述べた。
同僚の応援に愛を感じたという井上さんは、「練習では心残りになることがあったのですが、今回は80点」と予選での応対を自己評価。「振る舞いなど(同僚や先輩からの)アドバイスを生かしたいですね」と意気込みを語った。
アナウンス審査の前には、前回のコンテストで準優勝した羽田のGS、鉄崎百合香さん(6年目)が、アナウンスのデモンストレーションを披露。コンテストを見学した鉄崎さんは、「みんな接客が好きなんだなと、改めて感じました」と感想を話す。「日ごろやっていることしか(審査の場では)出せないので、スキルが高いと思いました。頼もしいです」と、昨年出場した経験と重ねながら、羽田の首位奪還を目指す本選出場者に期待を寄せた。
加藤支店長は「来年は審査員長を引き受けたくないと思うほど、本選出場者選びは悩みました」と打ち明ける。「今日は皆、お客様目線で対応してくれていました。空港でも、人として何が正しいかで対応して欲しいです」と、予選会で得た経験を日常業務にも生かして欲しいと語った。
今回の予選会には和泉さんと井上さんのほか、角田真紀さん(4年目)と宮田楓さん(4年目)、宮崎未来さん(2年目)、石井久美子さん(2年目)が参加した。
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