ボーイングは10月9日、737 MAXと787-10、777Xの開発状況について、順調に進んでいると現状を説明した。同社民間航空機部門のマーケティング担当バイス・プレジデントのランディ・ティンゼス氏が、都内で明らかにした。
737 MAXは9月24日現在、47顧客から2294機を受注。現在は設計作業中で、2015年に組立を開始し、2016年に初飛行する。ローンチカスタマーであるサウスウエスト航空(SWA/WN)への初号機引き渡しは、2017年7-9月期(第3四半期)を予定している。
787-10は9月19日現在、6顧客から132機を受注。787-9などのノウハウをベースに順調に開発中で、2018年の引き渡しを目指している。
777Xは8月31日現在、エティハド航空(ETD/EY)から25機、キャセイパシフィック航空(CPA/CX)から21機、ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)から34機、エミレーツ航空(UAE/EK)から150機、カタール航空(QTR/QR)から50機、全日本空輸(ANA/NH)から20機、計300機の発注コミットメントを獲得している。
2013年にローンチし、2015年に仕様を確定、2016年には詳細設計、2017年に製造を開始する。2019年のテスト飛行を経て、2020年の引き渡しを予定している。
ティンゼス氏は777-8Xと競合になるエアバスA350-1000型機と比較し、乗客数で11人、1座席あたりの燃料効率は5%改善、航続距離を1530海里伸ばせるとした。
現在、国内のLCC(低コスト航空会社)の多くはエアバスA320型機を導入。LCCへの展開が見込まれる737 MAXは、2017年の初納入を予定している。それまでの3年間、日本ではどのように展開していくかを問われ、ティンゼス氏は「海外では多くのLCCが737を導入している。一方、日本や東南アジア市場では、A320を多く導入している。エアバスにはA320(neo)があるが、ボーイングには737 MAXの実機がない」とし、「早く納入するために、現在は生産レートを上げている。現在は月産42機、2017年には47機、2018年には50機を目指している」との計画を説明した。
737 MAXは2017年、777Xは2020年に引き渡しを予定している。納入までに時間が空いてしまうことで懸念される、777-300ERなど従来型の“買い控え”が起きているかについては、「737 MAXへの移行期間は6年、737NG(次世代型737)が橋渡しをしてくれた」とし、「777Xへの移行期間も6年で、777の受注残は300機程度。1年あたり50機を販売しなくてはならないが、今年はすでに43機を販売した」と、堅調な推移を強調した。
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