長距離国際線の中でも、フライト時間が長い東京-ロンドン線。日系航空会社も主力機材を導入する路線だ。ブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)も、羽田と成田に1日2便のロンドン線が自社便で乗り入れている。
欧州経済の停滞感が指摘される中、現在の日本路線は状況が好転しているのだろうか。また、日本航空(JAL/JL、9201)やフィンエアー(FIN/AY)との共同事業の効果は出ているのだろうか。そして、ヴァージン アトランティック航空(VIR/VS)の成田撤退や、羽田空港と成田空港の住み分けを、どのように考えているのだろうか。
・羽田の時間帯「満足している」
・羽田と成田は住み分けできる
・成田縛りで訪日客は増えるのか
BAWのジョンティ・ブルナー日本・韓国地区支社長に聞いた。
羽田の時間帯「満足している」
──欧州でのBAWの現状を教えて欲しい。
ブルナー支社長:特に短距離路線の旅客数と売上が伸びている。ヒースロー便もガドウィック便も、短距離については就航地を10カ所以上増やすこともできた。
これは日本のお客様にとっても良いことだ。ロンドン以遠の渡航先は65カ所以上提供できるようになったので、欧州内の短距離路線が増えることは、そこから先のビジネスにもつながる。
短距離路線には新シートの導入を始めた。2年掛けて入れ替えていく。
──日本路線については、英国発の旅客は増えているのか。
ブルナー支社長:イエス! 英国だけではなく、欧州全体で日本路線の乗客は増えている。というのも、羽田便が毎日運航するようになったからだ。提供座席数が増えたことで、旅客数も増えている。
──日本発の旅客はどのような状況か。
ブルナー支社長:羽田の増便を受けて旅客数は増えている。4月からデイリー運航になったことと、発着時間が変わったことが挙げられる。特にビジネス渡航のお客様が増えている。
──日本路線のロードファクター(座席利用率)は。
ブルナー支社長:細かい数字は出せないが、パフォーマンスは改善している。
──羽田の発着時間は満足な時間帯なのか。それとも、より良い選択肢があるのか。
ブルナー支社長:今の時間帯で満足している。ほかの時間帯に移動しなければならないという話も以前はあったが、それもなくなった。お客様からも、(早朝から現在の時間帯になったことで)利用しやすくなったという声をいただいている。
(コードシェアを実施している)JAL便の出発時間よりも数時間早いので、お客様にとっては2つの便から選択できる側面もある。
──英国政府とタイアップで英国から日本への渡航キャンペーンをやったが、再度実施するか。
ブルナー支社長:2カ月前にこのパートナーシップについて、英国政府との契約を更新した。入札を経て選んでいただけたので、同じようなスキームを続けていきたい。
──機内食についてはどうか。
ブルナー支社長:自分が乗る際には和食を選ぶようにしているが、重要なのは日本人に対しても欧米人に対しても両方にアピールする食事を出すことだ。
私は日本食のエキスパートではないが、食事内容をレビューして改善をするようにしている。日本人客や日本人の客室乗務員からも意見を聞いており、ロンドンに対してフィードバックしている。
──冬ダイヤでのセールスポイントは。
ブルナー支社長:冬ダイヤも夏ダイヤも、羽田と成田の自社便、羽田のJAL便と1日3便ある。サービスの中で、一貫性を提供することも重要だ。
羽田と成田は住み分けできる
──成田の状況はどうか。
ブルナー支社長:パフォーマンスとしては満足している。羽田が増便し、羽田の方が都心に近いということはあるが、成田は利用者層が異なる。地域的、地理的に違うということもある。
──北関東の人が利用しているということか。
ブルナー支社長:その通りだと思う。みなさん自宅に近い空港を選ばれるので、羽田と成田の両方に便を持っていることは良いことだ。
共同事業の面では、羽田は(JAL運航の)パリ便があり、成田は(JAL運航の)パリ、フランクフルト、(FIN運航の)ヘルシンキ便がある。お客様に多くの選択肢を提供できる状況にある。
──北米の航空会社からは、運営コストの観点で東京の拠点は羽田に一本化したいという声も聞かれる。羽田と成田の2拠点で構わないか。
ブルナー支社長:羽田と成田は地域・地理面や、客層などがそれぞれ異なるので、営業については違いに基づいてやっていかなければならないと思う。
あとは規制要件(記者注:いわゆる「成田縛り」)があるので、
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