日本航空(JAL/JL、9201)は9月5日、ボーイング787-8型機の新仕様機「スカイスイート787」を導入すると発表した。12月1日から成田-フランクフルト線(JL407/408便)に、2015年1月1日から成田-ニューヨーク線(JL004/003便)に就航する。
新仕様機では、ビジネスクラスにフルフラットシートを導入。新たにプレミアムエコノミークラスを設定し、従来のビジネスとエコノミーによる2クラス構成を、3クラスに刷新する。エコノミーは新シート「スカイワイダーII」を投入しながらも、現在の横8席配列を維持することで、快適性で他社との差別化を図る。
座席数はプレミアムエコノミーの設定などに伴い、従来の186席(ビジネス42席、エコノミー144席)から161席(ビジネス38席、プレミアムエコノミー35席、エコノミー88席)に減少。客単価を底上げすることで、収益を確保する。
フルフラット導入のビジネス
ビジネスクラスは2-2-2の横6席配列。基本的なデザインや機能は、777-300ERの新仕様機「スカイスイート777」に導入済みのシートと同じ。全席通路アクセス可能な配列で、個室感を高めた。
ベッド長が約188センチ、ベッド幅約65センチ、ベッド時の足もと幅約53センチ。個人モニターの画面サイズは現在の787(15.4インチ)より大きい、23インチのものを採用する。シートメーカーは、米B/Eエアロスペース。
2-3-2配列のプレエコ
新設のプレミアムエコノミーは、2-3-2の横7席配列。主な機能やデザインはスカイスイート777と同じで、前席の背もたれが倒れてこない「フィックスド・バック構造」を採用している。
シートピッチは約107センチ(42インチ)で、座席幅は約49センチ(19.4インチ)、個人モニターは12.1インチ(最前列のみ10.6インチ)となる。シートメーカーは、ゾディアック・シート・フランス。
新シート導入と横8席維持のエコノミー
エコノミークラスは、2-4-2の横8席配列。787のエコノミークラスは世界的に横9席が主流だが、現在と同じ横8席を維持する。
新開発のシートを導入し、シートピッチは現行の約79センチ(31インチ)より約5センチ広い約84センチ(33インチ)、座席幅は約48センチ(19インチ)、個人モニターは10.6インチとなる。座席幅は横9席配列と比べると、約5センチ広くゆとりがある。全席にパソコン用電源とUSB端子を備える。シートメーカーは、ゾディアック・シート・US。
全クラスウォシュレット装備
ラバトリー(洗面所)には、全クラスとも温水洗浄機能付き便座「ウォシュレット」を装備。現行の787-8ではビジネスクラスのみだった。
機内エンターテインメントシステム(IFE)は、既存の「MAGIC-V」を進化させた「MAGIC-VI」を導入。座席モニターに触れた状態で指を滑らせる「スワイプ操作」ができるようになる。
2014年度末からは、無線LANによる機内インターネット接続サービス「スカイWi-Fi」にも対応する。
JALは現在15機の787-8を保有。今後受領する16機目から10機程度を、スカイスイート787仕様で導入する。2015年度から導入する長胴型の787-9も、同じ仕様となる見込み。既存の787-8についても、改修を実施するか検討していく。
2013年1月に運航を開始したスカイスイート777は全13機の777-300ERを、同年12月に就航したスカイスイート767は全9機の767-300ERを改修済み。
関連リンク
スカイスイート 787(日本航空)
スカイスイート 777
写真特集・JALスカイスイート777ができるまで
最終回 格納庫離れる最終改修機(14年8月3日)
第2回 新シート244席を手作業で(14年7月30日)
第1回 シート外した機内は広大な空間(14年7月28日)
最終改修機の初便就航
JAL、スカイスイート777の改修全機完了 新仕様13機揃う(14年7月27日)
機内写真特集・初号機の初便就航
・日航、新国際線機「スカイスイート 777」の機内公開 1月9日ロンドン線就航(12年12月21日)
スカイスイート 767
・個人空間と開放感を両立 写真特集・JALスカイスイート767(13年11月27日)
・日航、国際線用767の新シート公開 12月にバンクーバー線投入(13年11月26日)