ANAホールディングス(9202)傘下の全日空商事は9月4日、2014年の夏休み期間中に空港内ギフトショップ「ANA FESTA」で販売した空港別の「空弁」売り上げランキングを公表した。地域により寿司や弁当などで特色が見られる中、手軽に食べられるサンドイッチ類が売り上げを伸ばし健闘した。
ランキングの集計期間は7月19日から8月17日までの30日間。1つ500円以上の弁当を対象に、数量ベースで順位付けした。調査は新千歳空港と羽田空港、伊丹空港、福岡空港、那覇空港の5空港で実施した。
新千歳空港
新千歳空港では、北海道千歳市の水産加工業、佐藤水産鮨の「石狩鮨」が2959個を売り上げてトップとなった。ズワイガニと銀鮭の押し寿司で、新千歳名物のロングセラー商品。2位には札幌・中央区の食品販売業、YOSHIMIの「サンドイッチレストラン」、3位には札幌・清田区の和牛専門レストラン、牛屋江戸八の「牛屋江戸八の肉むすび」がランクインした。
1位から5位までを地元企業が独占。売り上げ個数も僅差だった。
羽田空港
羽田空港では、東京・千代田区の肉料理専門レストラン、肉の万世の「万かつサンド」が1万3922個を売り上げてトップとなった。肉厚のカツをふわふわのパンで挟んだ、定番商品。2位には横浜・西区の飲食業、崎陽軒の「シウマイ弁当」、3位にはYOSHIMIの「ヒレカツサンド」がランクインした。
国内線の利用者が多く、売り上げ個数も他空港を圧倒。羽田でも取り扱うYOSHIMIのサンドイッチが健闘した。
伊丹空港
伊丹空港では、福井・小浜市の水産加工業、小浜海産物の「焼さば鮨」が309個を売り上げてトップとなった。焼いたサバの押し寿司で、大葉とガリをサバとシャリでサンド。空弁ブームの火付け役となった。2位には神戸・東灘区の弁当製造業、淡路屋の「たこむすびめし」、3位には淡路屋の「日本の朝食弁当」がランクインした。
1位こそ逃したものの淡路屋の弁当が2位から5位までランクイン。地元の味が支持されている。
福岡空港
福岡空港では、YOSHIMIの「ヒレカツサンド」が1849個を売り上げてトップとなった。新千歳で5位、羽田で3位にランクインした商品で、ヒレカツにオリジナルソースとマスタード風味のマヨネーズをトッピングした。2位にはYOSHIMIの「サンドイッチレストラン」、3位には福岡・東区の明太子製造業、やまやコミュニケーションズの「明太牛たん丼」がランクインした。
鶏肉の消費量が多い九州らしく、チキン南蛮やチキンカツなど鶏肉の弁当がランクインした。
那覇空港
那覇空港では、那覇市の弁当製造業、立川フードサービスの「ポーク卵むすび弁当」が2493個を売り上げてトップとなった。ポーク(ランチョンミート)と卵焼きをサンドしたおむすびで、沖縄の定番メニュー。2位には那覇市の飲食店、割烹 喜作の「大東寿司」、3位には那覇市の弁当製造業、沖縄ケータリングサービスの「黒糖味噌かつサンド」がランクインした。
ポークや大東寿司だけでなく、定番のサンドイッチにもゴーヤーや黒糖を使用したものがランクインし、地域色がはっきりと表れたランキングとなった。
「空弁」は空港で販売する弁当で、駅弁の空港版のようなもの。機内や搭乗待ちのロビー、持ち帰りなどで食されている。
「ANA FESTA」は全日空商事のグループ企業、ANA FESTAが運営する空港内のギフトショップ。新千歳5店舗、羽田12店舗、伊丹1店舗、福岡5店舗、那覇5店舗など計34店舗を展開している。
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