エアアジア・グループのトニー・フェルナンデスCEO(最高経営責任者)は8月19日、自身のツイッターでスカイマーク(SKY/BC、9204)の買収報道を否定した。
19日に日本経済新聞が、SKYの買収をエアアジアが検討していると報道。フェルナンデスCEOは「エアアジアはSKYに関心を持っていない。SKYとの話し合いも行われていない。私たちは新たな航空会社に注力する」とツイッターに投稿した。
「新たな航空会社」とは、楽天などとともに設立したエアアジア・ジャパンを指すものとみられる。中部空港(セントレア)を拠点として、2015年7月までに国内線就航を目指す。現在LCC(低コスト航空会社)が乗り入れていない羽田空港にも、早期乗り入れを実現したいとしている。
19日の報道を受け、SKYの株価は急騰。午前9時26分にストップ高となる前日比50円(27.77%)高の230円をつけた。SKYでは、「自社において承知している事実および支援の打診を受けた事実はない」とのコメントを発表した。
SKYを巡っては、2017年までに6機導入予定だったエアバスA380型機について、エアバスが7月29日に全機の契約解除を通告。7月分の受注実績表からも、SKYの欄からA380の受注機数を示す数字が消されていた。
SKYはエアバスからA380の違約金7億ドル(約710億円)が請求されるとみられる。閑散期に入る秋以降に資金難が生じた際、同社が持つ羽田空港の発着枠36枠を巡り、エアアジアをはじめ、国内外の航空会社が争奪戦を繰り広げる可能性がある。
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