全日本空輸(ANA/NH)は8月7日、ボーイング787型機の胴体延長型となる787-9を羽田-福岡線に就航させた。787-9の定期便就航は世界で初めて。羽田-福岡線のほか、羽田-伊丹線と松山線に投入する。
初便の羽田発福岡行きNH241便は、乗客387人(うち幼児11人)と乗員11人の398人を乗せて午前7時30分に羽田空港60番スポットを出発した。運航乗務員は池田克己機長と山本雄一機長で、池田機長が操縦桿を握り、チーフパーサーは西薗一代さんが務めた。
出発前に開かれたセレモニーで、ANAの篠辺修社長は「機内の湿度が従来より2割高くなっており、女性の方にはお肌にやさしい飛行機」とアピールした。
同社の787-9初号機(登録番号JA830A)は7月29日夜、羽田に到着。8月4日には世界初の787-9による旅客飛行として小学生を招待し、羽田発着で富士山上空の遊覧飛行を実施した。
787-9は胴体が前方と後方でそれぞれ3.05メートル、計6.1メートル長くなり、航続距離を300海里(555キロメール)延長。座席数と貨物搭載量が787-8と比べて約1.2倍に増えることで運航コストが低減し、ANAの次世代主力機となる。燃費も767-300ERと比較して787-8は20%の改善だったが、787-9は23%向上する。
今回就航した国内線仕様の座席数は、プレミアムクラス18席と普通席377席の計395席。従来の787-8の国内線仕様機と比べ、60席(プレミアム6席、普通席54席)多く設定した。2号機は今秋に受領予定で、2015年3月末までに国際線仕様機(215席:ビジネス48席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー146席)を1機受領する。
国内線仕様機の座席数は、幹線の主力である777-200(405席:プレミアム21席、普通席384席)とほぼ同等。777-200の古い機体は、導入からほぼ15年が経過しており、今後787-9への置き換えを進めていく。
国際線では、777-300ERで運航する長距離路線を増便する際や、787-8で運航中の路線で需要が増えている路線に投入する。
ANAは787を世界最多となる80機を発注済みで、このうち787-8が36機、787-9が44機と、787-9が半分以上を占める。
運航スケジュール
NH241 羽田(07:25)→福岡(09:15)
NH248 福岡(10:05)→羽田(11:50)
NH25 羽田(13:00)→伊丹(14:05)
NH30 伊丹(15:00)→羽田(16:15)
NH595 羽田(17:15)→松山(18:40)
NH598 松山(19:30)→羽田(21:00)
関連リンク
全日本空輸
・ANAの次世代主力機、まもなく就航 写真特集・787-9国内線仕様機(14年8月5日)
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