エアバスは現地時間7月24日、開発中のA350-900が型式証明取得に向け、最終段階となる路線実証飛行試験を始めたと発表した。3週間かけて実施する。
この飛行試験は、航空会社による商業飛行に向けたA350 XWBの運用性を実証するためのもの。高高度での飛行性能や自動着陸試験、空港でのターンアラウンド(折り返し)、ハンドリングサービスなどを点検する。乗客を乗せた飛行試験も予定している。世界の主要14空港へ飛来し、北極を通過する路線での飛行も実施する。
5機ある飛行試験機のうち、5機目の試験機(MSN5)で実施。同機は客室を装備した機体で、ビジネスクラス42席とエコノミー・クラス223席の計265席仕様となる。飛行試験では、エアバスのフライトクルーとEASA(欧州航空安全局)のパイロットが同乗する。
飛行試験はすべて仏トゥールーズから出発し、4回に分けて14都市に飛来。1回目は、北極を通過してカナダとフランクフルトへ飛行し、2回目はアジアの香港、シンガポールへ向かう。3回目はヨハネスブルグ、シドニーに向かい、シドニーからオークランド、サンティアゴ、サンパウロを経て、トゥールーズに戻る。4回目はトゥールーズからドーハ、パース、ドーハに戻り、さらにモスクワとヘルシンキへ飛んだ後、トゥールーズへ戻る。
A350の型式証明取得は今年7-9月期(第3四半期)を予定。ローンチカスタマーであるカタール航空(QTR/QR)への量産初号機の引き渡しは、年末になる見通し。
A350 XWBファミリーは3機種で構成。座席数はメーカー標準の3クラス仕様でA350-800が276席、A350-900が315席、A350-1000が369席。エンジンは英ロールス・ロイス社製トレントXWBを搭載する。
6月末時点で、世界38社から742機の受注を獲得。日本では、日本航空(JAL/JL、9201)がボーイング777型機の後継機として、A350-900とA350-1000を合わせて最大56機導入する。
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