エアバスは現地時間7月22日、A350 XWBの飛行試験用初号機(MSN1)が最大エネルギーの離陸中断(MERTO)試験を実施し成功したと発表した。
試験は19日、仏南部のイストル空軍基地で実施した。MERTO試験は2カ月前に実施した高エネルギーの離陸中断(HERTO)試験同様、認証に必要な試験となる。
試験では使い古しのブレーキシステムを使用。高速、高重量で離陸中断し、機体を安全に停止できるかをテストする。ブレーキが効くと特殊なヒューズが作動。オレンジ色に変色し、温度は摂氏1400℃に達する。
機体はその後、消防士が車輪とブレーキに冷却剤を噴射し、5分放置された。
A350 XWBは今年の7月-9月期(第3四半期)に型式証明を取得し、ローンチカスタマーのカタール航空(QTR/QR)への量産初号機引き渡しは、10-12月期(第4四半期)を予定している。エンジンは英ロールス・ロイス社製トレントXWBを搭載する。
これまでに合計約540回、2250時間以上の試験飛行を実施している。エアバスによると、試験飛行の達成スピードでは過去最速だという。
A350 XWBシリーズは3機種で構成。座席数はメーカー標準の3クラス仕様でA350-800が276席、A350-900が315席、A350-1000が369席。6月末時点で世界39社から計812機の受注を獲得している。日本では、日本航空(JAL/JL、9201)がボーイング777型機の後継機として、A350-900とA350-1000を合わせて最大56機導入する。
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