マレーシア航空(MAS/MH)は7月18日、ウクライナで撃墜されたとみられるアムステルダム発クアラルンプール行きMH17便(ボーイング777-200型機、登録番号9M-MRD)の乗客数に座席を使用しない乳幼児3人を加え、283人とした。また、機体は整備記録上、異常はなかったことを明らかにした。
満席に近い乗客の国籍は、オランダ人が最多の154人で、マレーシア人が28人(乳幼児2人含む)、オーストラリア人が27人、インドネシア人が12人(乳幼児1人含む)、英国人が9人、ドイツ人が4人、ベルギー人が4人、フィリピン人が3人、カナダ人が1人、未確認が41人。乗員は15人全員がマレーシア人だった。298人全員が死亡したとみられる。
撃墜された機体は1997年7月製造で、座席数は282席(ビジネス35席、エコノミー247席)、エンジンは英ロールス・ロイス製トレント800。運航開始から17年で、飛行時間は7万5322時間、飛行サイクルは1万1434サイクルだった。11日にクアラルンプール空港の同社格納庫で実施した機体の整備点検では異常はなく、次回の整備は8月27日を予定していた。
AFP通信によると、親ロシア派がウクライナ軍のAn-26(アントノフ26)輸送機を撃墜したとSNS(交流サイト)に投稿したが、ほとんどを削除したという。An-26は小型ターボプロップ輸送機で、全長23.8メートルと777-200の全長63.7メートルと比べると半分以下の大きさ。
MH17便は高度3万3000フィート(約1万メートル)上空を飛行中、グリニッジ標準時間午後2時15分ごろ、ウクライナとロシアの国境から約50キロメートル地点で消息を絶った。英BBCは、親ロシア派が旧ソビエト連邦製の地対空ミサイル「ブーク」で撃墜したと報じている。
MH17便の撃墜を受け、欧州の航空各社はウクライナ東部上空の飛行を見合わせている。日本航空(JAL/JL、9201)と全日本空輸(ANA/NH)の国際線は、ウクライナ上空を飛行しないため、通常通り運航している。
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