エアライン, 企業, 空港 — 2014年7月16日 20:36 JST

JALと野村総研、ウェアラブル端末の実証実験 羽田空港で

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 日本航空(JAL/JL、9201)と野村総合研究所(4307)は7月16日、ウェアラブル端末を使用した実証実験を羽田空港第1ターミナルで開始した。機器から発する信号を用いてスタッフの配置などをリアルタイムで把握するもので、実験は約1カ月間続けられる。

スマートウォッチの表示を見るJALの空港係員=7月16日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

オペレーションセンターの指令スタッフ。画面の赤い丸部がアイビーコンの位置で、近辺の地上係員の名前が表示される=7月16日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 実験には米アップルの位置情報システム「アイビーコン(iBeacon)」や韓国サムスン電子のスマートウォッチ「ギャラクシーギア2」、スマートフォンなどを使用する。

 地上係員が身に着けたスマートウォッチが、搭乗口(スポット)など14カ所に配置したアイビーコンの電波を受信。現在地を空港内の「JALオペレーションセンター」に送信し、指令スタッフが把握することで、係員を適切に配置することができる。スマートウォッチは、手持ちのスマートフォンを通じて情報を送受信する。

 オペレーションセンターでは、地上係員の現在地をリアルタイムで画面表示。係員の配置が一目でわかる仕組みにした。動かしたい係員にメールを送信し、的確な指示を与えることが可能となった。

 地上係員は、乗客からの「最終のモノレールは何時発か」などの質問に、スマートウォッチを使用して即座に検索。いわゆる「コンシェルジュ」のような使い方も見込む。従来はパソコンが設置してある場所まで案内して調べていたものから、即時に対応できるようになった。

受信したメッセージを表示するスマートウォッチ=7月16日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 これまではトランシーバーを使用して、地上係員に配置場所などを指示していた。トランシーバーは1つの帯域を同時に使用することができず、混雑時やトラブル発生時など大量の情報が飛び交う場合に、的確に配置するのが困難だった。地上係員の配置は表示されず、指令スタッフの頭の中だけで組み立てられていたため、把握が困難だった。

 JALによると、実証実験の結果次第では本格導入を検討し、他空港への展開も視野に入れているという。

 アイビーコンは一般的に、店舗に設置。利用客が近づくとクーポンを配信するなどの用途で導入されている。スタッフの位置情報の検出や、配置指示などをスマートウォッチに配信するシステムを開発する野村総研によると、アイビーコンを企業の従業員向けに導入するのは日本初。

スマートウォッチを着用して搭乗客の対応をする地上係員=7月16日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 アイビーコンは2013年に米アップルが発表した位置情報サービスの技術で、設置場所からの距離を感知し端末に通知する。スマートウォッチはスマートフォンと連携し、位置の表示やアプリケーションを実行する腕時計型の端末。身に着けることのできる「ウェアラブルデバイス」として注目されている。

 JALと野村総研は5月に、ホノルル空港でグーグルのメガネ型端末「グーグルグラス」の実証実験を実施している。

関連リンク
日本航空
野村総合研究所

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