ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)は7月7日、国内9路線を対象に機内食「プリオーダーミール」の提供を発表した。4種類のメニューから選べ、うち1種類は「食と健康」を研究する、東京・世田谷の昭和女子大学の学生たちが開発した。JJPが本格的な機内食を提供するのは初めて。
7月から10月までは「ふんわりパンケーキのりんごソース添えとソーセージ」「とろ〜りチーズのジューシー・イタリアンハンバーグ」「たっぷり野菜のソース焼きそば」「季節のお弁当」を提供。11月から2015年2月までは、「ジェットスター・カラフルリゾット ソーセージ添え」ほか計4種類を用意する。うち、パンケーキとリゾットを学生が開発した。
予約制で提供し、7月16日から予約を開始。搭乗予定便の12時間前まで、JJPのウェブサイトやコールセンター、旅行会社で予約を受け付ける。7月30日から、1食1000円で提供を開始する。提供路線は飛行時間70分以上の国内線で、成田-那覇、福岡、松山、大分、札幌、鹿児島の各線と、関西-那覇、札幌線、中部-札幌線で提供する。提供数は種類にかかわらず1フライト20食。ウェブサイトで予約した場合のみ、種類を選ぶことができる。
担当したのは同大学生活科学部健康デザイン学科・栄養管理学科の「輝け☆健康『美』プロジェクト」の学生10人。開発は2013年4月にスタートし、工場見学や客室乗務員などへのヒアリングを経て完成させた。
同大学の給食調理室で開催された発表会で、JJPの鈴木みゆき社長は「学生たちの輝いている姿を見て、みなさんにお願いして本当によかった。学生が開発したメニューを機内食として提供できるのは、とても喜ばしい」と、学生たちに感謝した。
同大の板東眞理子学長は、学食と企業向けのメニュー開発との違いについて「栄養バランスだけでなく、見た目や扱いやすさなども重要」とした上で、「条件をクリアするには、試行錯誤があった。人間は失敗することで成長する。今回のプロジェクトで、社会に出たときに役に立つ経験を身につけてくれたと思う」と学生たちの成長に目を細めていた。
学生たちを指導した健康デザイン学科長の小川睦美准教授は、開発の苦労について、「献立の開発者と、提供するときの調理者が違う。さまざまな制約がある中でそれを乗り越えたのは、学生にとって大きな力になった。狭い機内で均質のものを提供する必要がある。チルド状態から温めて提供したときに、どのようにすればおいしくなるのか。材料や光熱費、搬送コストなど、たくさんのことが勉強になった」と振り返り、「最終的には『おいしい』と受け入れられることが大切」と、品質に自信をのぞかせた。
学生たちはメニュー開発で工夫した点について、「パンケーキは軽食として開発。旅先での食事も楽しめるように配慮した。リンゴジャムにアンズを加えることで甘さの後ろに酸味をプラスし、味が深くなるようにした」と説明した。
リゾットについては、提供前に冷凍されることを念頭に置き、「(冷凍すると)ご飯がポロポロになってしまうのを防ぐため、ソースを多用したリゾットを思いついた。トマトソースには魚介を使用し、風味を豊かにした。星型に切り出したニンジンはJJPをイメージ。くり抜き後のニンジンは細かくしてソースに使用し、食材を無駄なく使用した」とさまざまな面での努力の跡をうかがわせた。
JJPによると、今回のメニューのターゲット層は20代から30代。内容は未定としながらも、2015年3月以降も継続して機内食を提供するとしている。
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ジェットスター・ジャパン
昭和女子大学