ANAグループの貨物事業会社「ANA Cargo(ANAカーゴ)」は5月30日、ヤマト運輸とパートナーシップを強化し、沖縄国際航空物流ハブを使用した物流やビジネスモデル構築などで連携すると発表した。
ANAは供用開始当初から沖縄物流ハブを使用し、国内外8地点に48路線を就航。今年の5月14日からは那覇-シンガポール線を開設し、12地点73路線となった。
現在は貨物機10機を運航。10機目となるボーイング767-300ER型機を改修した767-300BCF貨物機には、ヤマト運輸の「クロネコ」マークと沖縄物流ハブを管理する沖縄県の県章をラッピングしている。
11機目は2015年度にも導入する見通し。ANAカーゴの岡田晃社長は、インドネシアのジャカルタやベトナムのハノイとホーチミン、中国内陸部などを候補地に挙げた。
一方、ヤマト運輸は那覇-シンガポール線の就航により、シンガポール向けの「国際クール宅急便」を開始。海外の消費者にインターネットを通じて販売する「越境eコマース」で、日本の農水産品をアジアの富裕層に訴求していく。
年内には日本各地や香港、上海、台湾からシンガポールに向かう「国際宅急便」の到着時間を短縮。現状は翌々日の到着だったものを、翌日の到着に早める。また、那覇-台北線を利用した国際クール宅急便もスタートさせる。
精密機器などに使用するパーツや商品についても、沖縄物流ハブに集約させる。従来は各地で在庫を持っていたものを集約することにより、コスト削減や配送時間の短縮が可能になった。ヤマト運輸の山内雅喜社長は「午後11時までに注文すれば、翌日には手元に届く」とし、深夜貨物便の利点を強調した。
沖縄物流ハブは2009年10月に供用を開始した貨物ハブで、荷物の積み替えや発着を深夜に実施している。那覇から上海や香港、バンコクなどのアジア各都市へは4時間以内に到着する。
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