エアバスは現地時間5月21日、豪州原産のユーカリから製造したバイオ燃料が、旅客機の燃料に適していると発表した。エアバスは2012年から、ヴァージン・オーストラリア(VOZ/VA)、豪州の農業研究機関のフューチャー・ファーム・インダストリーズ・コオペレーティブ・リサーチ・センター(FFI CRC)などと共同で、ユーカリ由来のバイオ燃料を研究していた。
FFI CRCが発表したリポートによると、ユーカリ由来のジェット燃料がスイスの国際イニシアチブ、RSB(Roundtable for Sustainable Biomaterials)が定める基準を満たし、国際標準化団体のASTMインターナショナルは、商業運航に適しているとしている。
この研究では、ユーカリの育成と収穫を、英ダイナモーティブと仏IFPエナジー・ヌーヴェル(IFPEN)が開発したバイオ燃料の製造方法を網羅して分析している。ユーカリはやせた土地でも育ち、水や食糧生産にも直接影響を及ぼさない。豪州西部のグレート・サザンの広大な土地で研究し、栽培者から航空機の利用者まで完全な供給連鎖の実現可能性などの調査も実施した。
研究によると、パース空港を出発するすべての航空便が、グレート・サザンで育成されたユーカリ由来のバイオ燃料を使用すると、航空機の排出ガスを少なくとも40%削減することができるという。