日本航空(JAL、9201)と野村総合研究所(4307)は5月2日、ホノルル空港でグーグルのメガネ型端末「グーグルグラス」の実証実験を開始した。
整備士や地上係員がグーグルグラスを装着し、機体の整備や貨物の搭載作業を効率化する新システムが構築できるかを共同で検証する。
実験の結果、グーグルグラスをはじめとするウェアラブルデバイスが業務改善に有効とみられた場合、数年以内の新システム構築を目指す。
2日はホノルル空港でグーグルグラスを装着した整備士が、機体の一部をグーグルグラスの内蔵カメラで撮影し、その場で都内のJAL本社へ試験送信した。
ホノルル空港は便数が多いことに加え、気温が高く日差しが強いため、視認性や厳しい環境でも実用に耐えるかを検証できることから選ばれた。実証実験では、グーグルグラスにサングラスを取り付けて使用。装着すると、右目の視野右上に映像が映し出される。
グーグルグラスは現在、開発者を対象に米国内でのみ試験運用を行っている段階。総務省の技術基準適合証明(技適マーク)の表示など電波法の関係で、日本国内では無線LANなどの電波を発する実験ができないため、6月までホノルル空港で実験を進める。
JALでは整備作業や貨物の積み込み時に、両手を自由に使えるハンズフリー環境を構築することで、作業効率の向上や負担軽減を図る。
想定用途としては、整備中に発見した不具合と疑われる機体の部分を撮影して送信し、本社のサポートスタッフが該当箇所のマニュアルのデータを送り返すことや、機体に積み込む荷物に付けられた電子タグを読み取り、注意事項を確認するなどの用途を挙げている。
また、整備や搭載の作業状況をリアルタイムに把握できるメリットを生かし、作業内容のダブルチェックや、社員教育への応用なども検討しているという。
関連リンク
日本航空
野村総合研究所
Google Glass