全日本空輸(ANA)は、3月1日から国際線機内での無線LANによるインターネット接続サービス「ANA Wi-Fiサービス」を開始する。スマートフォンやタブレット端末による使用を想定している。
対象となる機材は、ボーイング777-300ER型機と767-300ER。中型機にも導入することで、欧米路線のほかに一部アジア路線でも、ウェブサイトの閲覧やメールの送受信、フェイスブックやツイッターといったSNSの更新ができるようになる。通信速度の関係で、ノートパソコンからの利用や、ユーチューブなど動画サイトの閲覧は適さないという。
料金は使用するデータ容量により異なり、5MBプランが6米ドル(約610円)、10MBが12米ドル、20MBが24米ドル。支払い方法はクレジットカードのみ。20MBで閲覧できるウェブサイトの容量は、ポータルサイトのモバイル版であれば85ページ分に相当する。
3月1日時点での対応機材は、777-300ERが2機、767-300ERが1機で、ロゴマークを機体に貼り付ける。運航路線や便は、機材状況で変わるため、搭乗前の事前確認はできない。2015年3月末までの1年間で、前述の3機を含めて777-300ERを19機、767-300ER(202席仕様)を9機の計28機を改修する計画を進める。
787については胴体が複合材でできているため、現時点では未定。また、国内線へのサービス展開は、検討を進めていくという。
ANAが採用したシステムは、エアバスなどが出資するオンエア社の「インターネットオンエア」で、衛星回線を使用。当初は13年夏から開始予定だったが、ANAが接続環境を試験したところ、乗客が満足できる水準に達していないことがわかり、今春にずれ込んでいた。今回、複数使用する衛星と衛星との間で通信が途切れるなどの課題が解決したことで、サービス開始が決まった。
機体と衛星との通信速度は432kbpsで、機体に設置された既存のアンテナを使用する。対応規格はIEEE802.11a/b/g/n。
国内の航空会社では、日本航空(JAL、9201)が2012年7月から国際線で無線LANによる機内インターネット接続サービスを開始。今年7月からは国内線でもサービスを始める。JALの国際線用機材では米パナソニック アビオニクス社の「eXConnect」を、国内線用機材では米gogo社のシステムを採用している。
・ANA、国際線機内ネット接続サービスの開始延期
・全日空、国際線で機内ネット接続可能に 13年夏から
・JAL、国内線初の無線LANサービス 7月から新仕様機で
・日航、7月から国際線で機内ネット接続サービス「JAL SKY WiFi」開始
・「我々には後がない」 JALが背水の陣で挑む国際線機内ネット接続「JAL SKY WiFi」
【お知らせ】
ANAより対応規格の連絡が入りましたので追記しました。(2014年2月26日 19:48 JST)