全日本空輸(ANA)は12月10日、2014年夏から副操縦士の昇格訓練に新方式を導入し、基礎訓練を独ルフトハンザ・フライト・トレーニング(LFT)社に委託すると発表した。
新方式は、訓練の初期段階から機長と副操縦士の2人乗務(マルチクルー)を前提に訓練することで、航空会社のパイロット養成に適したもの。MPL(マルチクルー・パイロット・ライセンス)と呼ばれるもので、06年にICAO(国際民間航空機関)で規定され、日本でも12年に法制化された新しい制度。すでに日本航空(JAL、9201)も導入を決めている。
訓練を委託するLFTは、ルフトハンザ ドイツ航空(DLH)の訓練を担う同社のグループ会社で、DLHとANAは欧州でのジョイントベンチャー(共同事業)のパートナー。LFTは世界の訓練会社の中でも最先端で質の高い訓練を提供しており、MPL訓練を修了した副操縦士を400人以上輩出するなど、同訓練では世界でも最大規模の実績を有しているという。
LFTとANAが互いの訓練ノウハウを出し合い、1年以上の共同開発を経て訓練プログラムを作り上げたとしている。
今回ANAが導入するMPL訓練プログラムでは、航空会社の操縦士に求められる高品質な航空機の操縦操作能力の習得に加え、運航をチームで支える能力やスレット&エラーマネジメントなど、航空会社の運航に必要な業務遂行力も集中的に修得する。このため、訓練品質を向上させると同時に、効果的な副操縦士養成が可能となり、訓練期間も従来より大幅に短縮できるという。
関連リンク
全日本空輸