ボーイングは現地時間12月9日、777型機の後継となる777Xの低速風洞テストを開始したと発表した。風洞テストは航空機開発の主要行程のひとつ。
風洞テストにより性能モデルが実証され、そこで得られた大量のデータを基に、エンジニアリングチームは開発の初期段階として機体を設計する。
同テストは、5日に英国ファンボローにあるキネティック社の施設でスタート。風洞モデルにより、専門家が多くの異なる機体構造で試験を実施する。低速テストでは、離着陸をシミュレーションし、 機体の性能を測定する。
現在テスト中の低速モデルは、777Xのベースラインの0.05%スケールモデルで、全長4.22メートル(166インチ)、全幅3.92メートル(154インチ)で測定している。モデルには数百のセンサーが組み込まれ、飛行中の重量を決定するための気圧の測定や、各設計の空力性能を測るための重要なデータを測定する。
キネティックの施設での低速試験は約5カ月の予定。来年には777Xの高速性能予測を実証するため、シアトルにあるボーイング・トランスソニック・ウィンド・トンネルでもテストを実施する。ボーイングでは、2014年には初期設計が完成し、2015年に最終コンフィギュレーションを決定する見込み。製造開始は2017年、初号機の引き渡しは2020年を予定している。
777Xは777-8Xと777-9Xの2機種からなり、777-8Xの座席数は350席、航続距離は9300海里(1万7220キロメートル)となる。一方の777-9Xは、400席超の座席数と航続距離が8200海里(1万5185キロメートル)で、座席当たりの運航コストは民間機の中で最も低くなる。
ボーイングとキネティックは先ごろ、ファンボローでの風洞テストにおけるパートナー関係を5年間延長することで合意している。
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ボーイング・ジャパン
Boeing
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