ボーイング・ジャパンのジョージ・L・マフェオ社長は12月5日、777型機の後継となる777Xの生産拠点について、2014年1-3月期に決定することを明らかにした。正式名称も1月を目途に発表する見通し。
777Xの生産については、ワシントン州シアトルにあるエバレット工場での生産につながる新たな労働契約の締結を、11月に労働組合「国際機械技術者協会(IAM)」が否決。ボーイングでは、主翼の生産や最終組立を手掛ける工場について、「複数の提案をレビューしている」(マフェオ社長)として、日本での生産分担も考え得るシナリオだとした。
日本のサプライヤーについてマフェオ社長は、「非常に重要なパートナーであり、かつてないほど重要性が増している」と高く評価した。
777Xがローンチした11月のドバイ航空ショーでは、導入を決めた航空会社の一部から、引き渡しが大幅に遅延した787のように、複数国に生産拠点が分散する方式を避け、米国内での生産比率を高めるべきとの声が挙っている。
これについてマフェオ社長は、月産8.3機に至っている現行の777の生産方式が安定しているとして、777Xも基本的に踏襲する考えを示した。「787の方式は取り入れない。777から少し変更を加えるだろうが、大きくは変わらない」と述べた。
777Xは777-8Xと777-9Xの2機種からなり、777-8Xの座席数は350席、航続距離は9300海里(1万7220キロメートル)となる。一方の777-9Xは、400席超の座席数と航続距離が8200海里(1万5185キロメートル)で、座席当たりの運航コストは民間機の中で最も低くなる。GEアビエーション社製GE9Xエンジンや複合材を使用した高効率新型主翼など、数多くの最新技術を採用。製造開始は17年、初号機の引き渡しは20年を予定している。
マフェオ社長は「双通路機の中で、777Xは1列に10席配置できる唯一の機体。777-8XはエアバスA350-1000と競合するが、777-9Xには競合する機体がない」と、成功に自信を示した。
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ボーイング・ジャパン
Boeing
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