ボーイングは現地時間10月29日、737 MAXの燃料効率性が、従来の値よりも向上すると発表した。同社は737 MAXの詳細設計を進めており、これまで既存機と比べて13%改善するとしていたが、さらに1%向上して14%改善されるという。また、長距離運航ではより効率が高まるとしている。
燃費に加えて、整備性も向上させる。737 MAXでは、整備情報の管理機能を向上する新システムを採用。電子装置を取り付けたまま、装置の良否を短時間でテストできるシステムや、故障した際に原因や故障個所を特定できる情報にコックピット内からアクセスできるようにする。これらのデータは現在、機体の前部電気室に入って取り出しているが、新システム導入により、整備性が向上する。
また、機体のセンサーが発する電気信号をデジタル化するeDFDAU(digital flight data acquisition unit)と、ネットワーク・ファイル・サーバーからなる改善型機体ネットワーク・システムも導入。これらのシステムにより、飛行中に取得可能な整備情報は2倍に向上。データの保存能力を高めた集中データ収集システムとなり、機体と地上との連携を強めることで、航空会社の機材管理効率が高まるという。
ボーイングでは、737-800など既存の737NG(次世代737)は、99.7%の定時運航率を達成しているが、737 MAXでは運航と整備の容易性がさらに高まるようにしたいという。eDFDAUやネットワーク・ファイル・サーバーなどの新システムは、737 MAXへ導入する前に、737NGに搭載するよう開発を進めている。
737 MAXのエンジンは、新開発のCFMインターナショナル社製LEAP-1Bを採用。テールコーンやウィングレットを737NGから変更することで、燃費を向上させる。
2クラス構成で162席仕様となる737 MAX 8の最終組立は、2015年に開始予定。ローンチカスタマーのサウスウエスト航空(SWA)への初号機引き渡しは、17年7-9月期(第3四半期)を計画している。180席仕様(2クラス)の737 MAX 9は18年、126席仕様(同)の737 MAX 7は19年に初号機の引き渡しを予定している。
関連リンク
Boeing
ボーイング・ジャパン
・ボーイング、737 MAX 8の最終構成決定 詳細設計開始へ
・ボーイング、737 MAX引き渡し開始を前倒し 17年7-9月期に
・スカイマーク、737 MAXを国内初導入へ 18年以降
・ボーイングとサウスウエスト、737 MAX 7をローンチ 19年から引き渡し
・ボーイング、737 MAXの機体コンセプト決定
・ボーイング、737 MAXの航続距離など発表 MAX 8は6700キロ
・ボーイング、737 MAXのファン径69インチに拡大